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貧乏神と福の神(2)

2023-08-01日语睡前故事20210327 来源:百合文库
「あんたは、一体誰かね?」
「わしか? わしゃ、貧乏神じゃ。
ずっとむかしからこの家に住んでおったのに、お前ら夫婦がよう働くもんで、今夜、福の神がやって来るちゅうんじゃ。
そしたらわしは、出て行かんとならんのだ。うぇ~ん、うぇ~ん」
男は自分の家の守り神が貧乏神と聞いて少しガッカリしましたが、それでも神さまは神さまです。
下の部屋に降りてもらって、嫁に訳を話しました。
そして貧乏神が可哀想になった男は、ついこんな事を言いました。
「せっかく、長い事おったんじゃ。これからもずっと、ここにおって下され」
すると、嫁も口をそろえて。
「そうじゃ、そうじゃ。それがええ」
どこへ行っても嫌われ者の貧乏神は始めて優しい言葉をかけられて、今度は嬉し泣きです。
「うぇ~ん、うぇ~ん」
こうしているうちに夜もふけて、除夜(じょや)の鐘が鳴り始めました。
これが、神さまの交代する合図です。
その時、

貧乏神と福の神


♪ トントントンと、戸を叩く音がしました。
「こんな夜更けに、どなたですじゃ?」
「ガッハハハハ。
 お待たせ、お待たせ。
 わしは神の国からはるばるやって来た幸福の使い。
 誰もがわしを待ち望む
 福の神だー!」
ついに、福の神がやって来ました。
福の神は、貧乏神に気がつくと、
「何だ、薄汚い奴め、まだおったんか。はよ出て行かんと、力ずくでも追い出すぞ!」
だが、貧乏神も負けていません。
「なにお~っ!」と、福の神に突進しましたが、やせてヒョロヒョロの貧乏神と、でっぷりと太った福の神では勝負になりません
それを見ていた夫婦は、
「あっ、危ない!」
「貧乏神さま、負けるでねえぞ!」
それを聞いておどろいたのは、福の神です。
「何で? 何で、貧乏神を応援するんじゃあ?」
夫婦は貧乏神と一緒に、福の神を家の外へ押し出します。
「わっせい! わっせい!」
とうとう三人がかりで、福の神を家の外へ押し出してしまいました。

貧乏神と福の神


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