【现在开始动真格】祝!!川原砾10周年纪念(3)
チュートリアル的な位置づけのバトルを経た後に、《圏内》の中央広場に強制転移させられたあのときと。
しかし大きく違うところもある。
忘れたくても決して忘れることができない、デスゲームが開始されるあの場面では、約一万人のプレイヤーがここに転移させられて来ていたはずだ。
しかし今は、
「誰も、いない……?」
「パパ、ママ。これからさらなる調査を進める前提ですが、どうやらここは《アルヴヘイム》ではなさそうです。座標特定機能もエラーで返ってきてしまいました……」
不安そうな面持ちで、ぱたたっとアスナの肩に乗るナビ・ピクシーのユイ。
「どういうことなんだ、いったい……」
第六感のようなものが働き、辺りを警戒し始める俺。
なぜなら、次に起こるイベントが薄々わかっていたからだ。おそらく、同じく臨戦態勢をとる隣の青い髪の少女も同様だろう。
俺たちの予想通り。
リーン、ゴーン、と。
広場の中央に建てられた塔の上部にある鐘が鳴り始めた。
BGMもNPCの話し声もない静寂の中、荘厳な響きが辺りに広がっていった。
そして。
夕暮れの上空の一部分に、奇妙な形の六角形(ヘックス)が浮かび上がる。
横長に歪で、夕暮れの空よりも赤く点滅するそのヘックス内部には、文字が描かれている。
《WARNING》。
そして、《SYSTEM ANNOUNCEMENT》。
その横長の六角形は、まるでウィルスが増殖するように一つから二つ、二つから四つへと、倍増を繰り返し、空を埋め尽くす。
やがて空一面が自然な朱色から、異常事態において多用される《金赤色(ゴールド・レッド)》に変化した。
これも、あのときと同じだ。
次に、一部分のヘックス数個から、泥のような液体が滲み出てくる。その液体から形作られるのは、焦げ茶色のローブをまとうゲームマスター。
「キリトくん、あれ……」
この演出が意味することはひとつ。
「茅場……なのか?」
「まさか、またデスゲームに閉じ込められたの……?」
《ALO》の旧運営会社《レクトプログレス》は解体され、受け継いだ新会社《ユーミル》の運営体制はクリーンで安全なはずだ。
《ALO》にダイブ中の俺たちに対して、なぜこんなことが可能なのか、今は情報が少なすぎて皆目見当もつかない。
転移直後から細部を様子見しているが、確かにあの、当時の《アインクラッド》そのものだった。
「……」
泥から出現し、空中で静止しているローブ姿。