【现在开始动真格】祝!!川原砾10周年纪念(16)
そして、ざああ! と棺桶が黄金片に戻っていく。
そこに残されたのは、ブラス・エディター。
ウンディーネとスプリガンの連続魔法攻撃を受けたその結果は――。
またしても、やつは無傷……。
……ではなかった。
「ギギ……、な、なんギですギギか、こギギギれは……ギギギギ?」
キラキラした浜辺に立つ黄土色のロボットは、その身体を動かすことができない。その身体の至る所に、赤茶けた部分が観て取れる。
つまり、錆びているのだ。
俺はカラクリを説明する。
「この空間は、ブレイン・バーストのゲームロジックも組み込まれている。そうだったよな、ユイ」
「はいです、パパ!」
「ブラスはBrass、真鍮のことだ。黄銅とも呼ばれる金属。そして、金属は塩分濃度が濃い海水に浸し電流を流せば……《腐食》を促進できる」
腐食とは金属を酸化させることだ。酸化とはつまり……。
「お前には、《サビ》という強力なデバフがかかったんだ。もちろん、腐食といってもこんなに早く錆びるわけがない。電解のための電極もないしな。だから、《心意》で事象の上書きも加えた」
「な、ギギ……なんギギギですって……ギギ」
「なあブラス・エディター。その自慢の強硬度ボディだけど、錆びて動きが鈍くなり、そして脆くなった今、俺たちの全力のアタックに耐えられるか試したくないか?」
「……!?」
「いくぞ?」
俺は改めて二本の剣を構える。
いつも《クエスト》で愛用する剣と、聖剣《エクスキャリバー》を。
「ちょ、ギギま……待ってギギギギ、待……!!」
「いくぞ!! 《スターバースト・ストリーム》!!」
* * * *
キラキラした白亜の砂浜に、透き通るような海、突き抜ける青空。
そんな美しい景色の中に、異質な一点がある。
スクラップ同然に赤茶けた、土管のような形のロボット。
俺の二刀流十六連撃を受けて、完全に破壊された敵だ。
朽ち果てた土管は、ひび割れたアイサイトを点滅させながら、忌々しく叫ぶ。
「……やはり……強い……。私はもう終わりだ……」
ボロボロのブラス・エディターの身体が光に包まれ始める。
「しかし! 私はお祝い年があるたびに蘇る!! 次は、次は……!!」
そして爆発、霧散した。……お祝い年? 最後まで、何を言っているかよくわからない謎の敵だったな……。
フルール海岸に、俺たちのもとに、また平穏が訪れた。
「……終わった……のか?」
「そう、みたいだね」
一息つく俺の隣で、遠くを見つめるアスナ。