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【生肉/八月的灰姑娘棒球队官网小说】 第一话 有原翼 最后的比赛(4)

「あー、あいつならすぐ外にいると思うよ」
 コーチは少し気まずそうに眉をひそめる。翼はお礼を言って、コーチが指差した方へかけていった。
 彼の姿はすぐに見つかった。スーツ姿の大人と話し込んでいる。
「君、打率すごいね。高校はもうどこか考えてる? うちの高校にきたらもっと化けるよ。甲子園で活躍すること間違い無しだから」
 高校野球のスカウトだ。彼は舞い上がっているようで、面倒くさそうに頷きながらも、輝いた目でスカウトの大人を見つめている。
「有原……」
 翼の存在に気づいたようで、はにかみながら手を振った。翼が駆け寄ろうとするよりも早く、また別の大人が彼に声をかける。
「今日の試合おつかれさま。よかったらうちに来てよ。またあとでちゃんと連絡するね」
「うち以外からもスカウトくるだろうけど、頼むよ」
 翼はその場で立ちすくんだ。スカウトに囲まれている彼を見ていると、数時間前同じ試合に出て、一緒に活躍したことが信じられなかった。私もチームメイトなのに。甲子園に出られないことはわかっていた。けれど、だからどうってこともなかった。今初めて、甲子園の大きさと遠さを感じた。
 チームに入部したばかりのことが頭をよぎる。
『君、もしかしてマネージャー?』
『そんな細い腕で無理しなくてもいいよ。どうせそんなに体力もないだろうし』
『レギュラーにはなれないと思うよ?』
 悔しいこともあったけれど、全部乗り越えて優勝まできた。けれど、スカウトの大人に囲まれている彼と自分の間にはどうしようもない壁があるらしい。
「翼〜、おつかれさま」
 その時、ともっちが翼の肩を叩いた。
「翼すごくかっこよかったよ。大活躍だったね」
「応援してくれてありがとう。お腹減ったよー」
「じゃあ今日は何かおいしいもの食べようよ〜」
 ともっちに誘われて踵を返し、外に止めてあった自転車にまたがった時、
「有原!」
 遠くから彼が駆けてきた。翼は自転車のペダルに片足を

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