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三月のパンタシア「ガールズブルー」冬

2023-03-18みあ三月のパンタシア 来源:百合文库
伽耶は英語の授業以外、よくサボる。最先端のファッションを学ぶためイギリスの芸術大学に進学したい、という話を聞いた時はかなり驚いた。見せてくれた服のデザイン画は本格的で、彼女の熱量を肌で感じられた。
私は明確な夢に向かって邁進している伽耶が、正直羨ましかった。11 #三パシ冬
将来のことは、まだよく分からない。進路は勧められた地元の大学を希望しているだけだ。「⚪︎⚪︎大A判定?!」と伽耶は感嘆するけど、私は彼女のまっすぐな自由さに憧れるほど自分が不自由に思えた。でもきっと大学で何か見つかるのだろうと言い聞かせ、不安の影を振り払ってきた。12 #三パシ冬
九月。
夏休みも終わり、教室には緊張感がより色濃く漂う。その九月最終日、ついにあのアーティストのライブの日がきた。初めて地元のライブハウスに来てくれたのだ。13 #三パシ冬
「もう1曲目のイントロがループする中で暗闇から少しずつ光と音が足されて、散々焦らしてから歌に入るあの瞬間も最高!サビで青の光とスモークの中歌う姿も神々しかったなぁ…。あと、序盤のあの曲!青が朱に溶けていく途中の空の映像と燈色の照明が物凄く合ってて、良かったよね…」14 #三パシ冬
終演後に行ったファミレスでは気持ちが溢れて止まらず、箸は中々進まなかった。「未央ちゃん、本当に楽しそう」伽耶が笑った。「もう、愛に溢れてるよね。だって私正直そんな細かいところまで観てないもん」「ねぇ、音楽系の仕事とか興味ないの?すごいライブ創りそう!エモいやつ!」15 #三パシ冬
心臓がドクンと脈打つ。自分があの人のライブを創る未来。それは、実は初めて想像することではなかった。そして同時に浮かぶ「東京」というフレーズ。
とても甘美で、とても残酷に、脳内に響く。
私は、いやいや、と笑ってその話題を半ば無理やり終わらせた。16 #三パシ冬
帰宅して部屋に戻ると、私の手は自然と机の引き出しを開いていた。紙の山をかき分ける。あった。それはすぐに見つけることが出来た。以前請求していた照明美術を学べる専門学校の資料を、手に取る。17 #三パシ冬
あの高二の夏のライブハウス。
暗い照明でとつとつと歌う姿があまりに切実で、当時漠然と感じていた孤独に共鳴して胸が苦しくなっていると、最後のサビで大きな光が世界を照らし、歌声が心の奥のどこまでにも届いて涙が止まらなかった。本当に、救いの光に見えたのだ。18 #三パシ冬
それから私は、照明オペレーターという仕事に興味をもった。母は私が何か夢を見つけられたことを素直に喜んでくれた。問題は父だ。私は寡黙な父の優しさも、厳しさも知っている。19 #三パシ冬
『若いうちは好きな気持ちだけでやれるかもしれない。でもそれを仕事として続けられるのか。力仕事だし、不規則な仕事だろう』
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