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メルヒェン·マイネスレーベンス:タイトル付けない私ヶ小説家失格

2023-03-17原创校园轻小说 来源:百合文库
今までの私にとって、ひとつの言葉とはまったく無縁だった。
「届かなくて、眩しい」――この名言、確かある教科書に収録され、学生群れに一時流行ってたそうだ。だが、多数なる人は知らない、あの眩しさを維持するために燃料が必要だ。数え切れない祈り・痛み・嘆き・呪い、全てを燃え尽きた最後、自分すらアーシーになる。いかにも過酷な始末。
比喩的な世界のみならず、現実に見てもそっくり。在り来たり毎日の輪廻――だんだん受け入れて、そして大人しくなって、自然に飲み込まれ、いずれ浜の砂や海のしずくにならなきゃ。
正直、日々とともに幼い頃のことはほぼ覚えなくなってしまった。記憶と言うものの、まるで他人事に見える。今思い出せば、同じ環境で育てられる無数な「ヒト」の人生も「ワタシ」と等しい。
「そんなバカなこと、死んでもしたくない!」「やってみます。」
「おい、誰か反論しなさいよ。」「賛成。」
矛盾を抱いて生きろ。それでいいかな、かな。
この先からずっと遠い未来の私なら、やがて理解できるだろう。
恐縮ながら、こんな私にしても叶えたい夢がある。とは言え、理想とか偉いもんじゃない、たったひとつ小さな願い。まるで星祭りの夜、シリウスの煌きに遮られてバックグランドーの末になる星屑みたい。
――失ったこそ、探しにゆこう。
かけがえない「ストーリー」へ。
①選びは存在しない
「お前てさ、そんなに小説が好き?」
「何だ、突然そんな話。て言うか今は授業中だろう」
「いや先から小説を夢中になるやつが誰だよ、おい」
「ボールペンで刺さるな!目に当たったらどうするの」
「メガネあるし」
「防具に扱いか!」
おかしい、おかしすぎる。授業中はずなのに、この前の方から首を捻じて大げさな表情でニヤニヤ笑ってばかりの生き物に対して、先生は完璧に無視した。
「矢牧、ちょっと黙りなさい」隣の席から声を。
一応紹介する、こいつの名は矢牧 翔也(やまき しょうや)、見たとおり脳天気なバカ。そして声を出すのはうちの委員長遠野さん、遠野 未名花(はるの みなか)。
成績優秀・品行方正・楚々とした姿、さすが教科書的な委員長様。当然、滝の如くフルエントな黒髪、まして凛々しい目線、例外なし魅力が溢れている。
警告を聞こえたなり、翔也のやつ一秒かかず元の位置に戻った。うわ、動きがはやッ、キモッす。畢竟どんな物知らずやつにしても、決して全体男生の狙う的になりたがってない。
グッドジョーブ、ハルノーサマ。
何とか無事に昼休みが迎える。騒々しい人物は今絶賛不在中、確か野球部か何か野暮用があるらしい。どうやら俺が小説を読む間に、人影は教室にきえたそうだ、ちょっと淋しい。でもすっーごく心地よい。
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