第23话 最后冲刺(7)
厄介なのは、明石焼き以外のメニューは焼き上げてしまうと中身がわからないことだ。
本来なら1人が担当するタコ焼き機は1台分なので、入れた具材の把握はそう難しいことじゃない。だが3台を1人で使うとなると、もはや広大な生地の海で行う記憶力頼りの神経衰弱の様相を呈してくる。
(くそ……っ! ここまで難易度が高い原因は間違いなくメニューの多さのせいだ! ああもう俺の馬鹿! 初期の計画案からすでにメニュー5種類にしてた上に、もう1種類追加するとか多過ぎなんだよ!)
「紫条院さん、皿頼む! 白1、虹1、黒1!」
「あ、はい!」
忙しくジュースを紙コップに注いでいた紫条院さんが、紙皿を出してくれる。
見た目からは味がわからないため、ノーマルタコ焼きは白、ロシアンタコ焼きセットは虹、アンコ入りは黒……というふうに容器の色で判別できるようにしているのだ。
そして俺が皿に対応した味のタコ焼きを乗せ、アンコ入り以外は鰹節、青のり、マヨネーズ、ソースを紫条院さんがかければ完成だ。
ちなみに明石焼きは出汁が入ったミニお椀に入れて提供している。
「筆橋さん、ノーマル3、ロシアン1、アンコ3、上がりました! 座席5番です!」
「はいはーい! 今行くよー! うう、やっぱりキツいー!」
唯一の配膳役の筆橋が、泣き言を言いながらも今仕上がったばかりのタコ焼きを運んでいく。食器ゴミや食べ残しを捨てるのはセルフサービスでお客さんにやってもらっているが、それでも筆橋1人で教室全体をカバーするのはかなり辛いだろう。
「はい、おつり20円です! 次のオーダー! ベーキム6! ノーマル6! コーラ1、ジンジャー1! 全部テイクアウトで!」
「オレンジ2を1番席! コーラ2、サイダー2を3番席! お願いします!」
「はいお待たせしましたー! あ、すいませーん! 追加注文は全部食券でお願いしますー! あ、飲み物の余りはそっちのバケツにお願いしまーす!」
本来なら1人が担当するタコ焼き機は1台分なので、入れた具材の把握はそう難しいことじゃない。だが3台を1人で使うとなると、もはや広大な生地の海で行う記憶力頼りの神経衰弱の様相を呈してくる。
(くそ……っ! ここまで難易度が高い原因は間違いなくメニューの多さのせいだ! ああもう俺の馬鹿! 初期の計画案からすでにメニュー5種類にしてた上に、もう1種類追加するとか多過ぎなんだよ!)
「紫条院さん、皿頼む! 白1、虹1、黒1!」
「あ、はい!」
忙しくジュースを紙コップに注いでいた紫条院さんが、紙皿を出してくれる。
見た目からは味がわからないため、ノーマルタコ焼きは白、ロシアンタコ焼きセットは虹、アンコ入りは黒……というふうに容器の色で判別できるようにしているのだ。
そして俺が皿に対応した味のタコ焼きを乗せ、アンコ入り以外は鰹節、青のり、マヨネーズ、ソースを紫条院さんがかければ完成だ。
ちなみに明石焼きは出汁が入ったミニお椀に入れて提供している。
「筆橋さん、ノーマル3、ロシアン1、アンコ3、上がりました! 座席5番です!」
「はいはーい! 今行くよー! うう、やっぱりキツいー!」
唯一の配膳役の筆橋が、泣き言を言いながらも今仕上がったばかりのタコ焼きを運んでいく。食器ゴミや食べ残しを捨てるのはセルフサービスでお客さんにやってもらっているが、それでも筆橋1人で教室全体をカバーするのはかなり辛いだろう。
「はい、おつり20円です! 次のオーダー! ベーキム6! ノーマル6! コーラ1、ジンジャー1! 全部テイクアウトで!」
「オレンジ2を1番席! コーラ2、サイダー2を3番席! お願いします!」
「はいお待たせしましたー! あ、すいませーん! 追加注文は全部食券でお願いしますー! あ、飲み物の余りはそっちのバケツにお願いしまーす!」