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YOASOBI-海のまにまに的原著小说《ユーレイ》第二部分(6)

2024-04-11 来源:百合文库
広場の端は、すぐ下が浜辺なのにフェンスも何もなかった。
危ないな、と思って、ふと、目がさっきの花束の方を見やる。
ここから見ると、電信柱の陰になっていて、よく見えない。
だけど、あれ?と思う。
さっきまで、花と一緒に手向けられていた花火がーーー
なくなっている気がした。
ちょうど、この子が持っているのと同じような平べったい花火の袋が、確かにあそこに供(そな)えられていたように思ったのに。
それとも、今は柱の陰になって見えていないだけだろうか。
「あー、どうしよ」

YOASOBI-海のまにまに的原著小说《ユーレイ》第二部分


彼女が言う。唐突(とうとつ)に、困ったように。
「花火やろうと思ってたのにマッチとか、ライターとか持ってくるの忘れた」
「あ、私、あるよ。もしよかったら使う?」
女の子の言葉につい、リュックの中に入れてきたライターの存在を思い出し、咄嗟(とっさ)に言ってしまう。
彼女の顔がパッと輝(かがや)いた。
「え、いいの?」
私は「うん」と頷き、彼女に近づいてーーー
そして、その時になって初めて気づいた。
裸足(はだし)だ、と。
首筋(くびすじ)に、チリッと見えない電気が走った気がした。

YOASOBI-海のまにまに的原著小说《ユーレイ》第二部分


気温はさっきとそう変わっていないはずなのに、背中がすっと寒くなる。
海辺のコンクリートの広場の上で、彼女は、靴を履いていなかった。


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