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読書感想:千歳くんはラムネ瓶のなか7(生)(2)

「私は先輩たちの輪には入れないし、入らないです」
「先輩の望みは、私の望みです」
何気ない賑やかさを堪能したり、ヒロイン同士の関係が深まったり。そんな中、無害な後輩と言う印象を刷り込んでいた紅葉は一人、朔の心に忍び寄る。停滞から抜け出さなくては、という朔の本心を引っ張り出しそのお手伝いをしますと後輩らしい笑顔で、まるで新しい朝を連れてくるように言う。
だがその方法は、とても強引で、それこそ今まで築かれていた全ての舞台をひっくり返すようなものだった。自分の思いに悩み切れ味を失った朔を振り回すように後輩としての権利を駆使し。気が付けば明日風、陽、優空の特別を奪っていく。
「私はなにかひとつでも卑怯なことをしましたか?」
「それって、みなさんが勝手に思い込んでるだけですよね」
「―――手を繋ぎ輪になって仲よく停滞してるんですよね」
「春を巻き戻したいんですよ」
次なる標的として見定められ対峙する悠月。しかし身構える彼女へ紅葉は容赦なく、彼女の、チーム千歳の現状を指摘し。一目ぼれし全てを手に入れたい、全てを染めたいと言う己が願いを口にする。

読書感想:千歳くんはラムネ瓶のなか7(生)


そう、一人が辛いから二人の手を繋ぎ、二人が寂しいから輪になって手を繋いで。それで朔を取り囲んでも、それは朔と共にガラス瓶の底で停滞するようなもの。月に手を伸ばし続けるというのなら、輪を無くさなければいけない。そして紅葉は輪の外に敢えて身を置く事で、いつでも月を撃ち墜とせるという好機を伺っている。
正しく盤外から現れた彼女は劇薬、文字通り全てを荒らしていく嵐。その脅威を前に覚醒するのは「彼女」。果たしてこの先、どうなるのか。
少女達の魂を削るような慟哭と、切なる叫びが響く今巻。正に新章の始まりである。
次巻、いよいよ本当の戦いが始まる、のかもしれない。


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