第7话 紫条院春华在床上心慌意乱地手脚乱蹬(9)
(今日はその逆です。帰り道の全部が楽しくて……)
何だか新浜君は喋り方が明るくなっただけじゃなくて話が上手くなったのか、話している間がずっと楽しくて暗い気持ちなんか全部吹き飛んだ。
それから、私がどうして花山さんみたいな人たちから憎まれるのか教えてもらったけど……その原因より新浜君が私を綺麗だと言ってくれたことが衝撃的だった。
(今まで綺麗と言われることは沢山あったのに……どうして新浜君に言われたらドキドキしたんでしょう)
小さいころから可愛いとか美人とかよく言われた。
けどそれは私服やアクセサリーを褒められた時と同じで、嬉しくはあるけどそれでこんなに気分が浮き立つものじゃなかった。
(新浜君から褒められるの……なんだか嬉しいです)
そうやって頬を緩ませて自分の顔を触り……なんだか熱くてムズムズした気持ちを持て余せてベッドの上でまたジタバタしてしまう。
さっきからずっとこの調子だった。
(ああもう! どうしてしまったんですか私!?)
未知の感情に翻弄されながら、私は真っ赤になった顔をベッドに押しつけた。
私は紫条院時宗。
勝ち組オブ勝ち組の52歳である
いくつになっても20代のように若々しく美しい妻と天使そのものの娘を持ち、自他共に認める大会社を経営している。
自分で言うのもなんだが誰もが羨む人生を送っているだろう。
今日も仕事を終えて愛しき我が家でくつろいでいる最中だったのだが、なんだか娘の部屋からガタガタと妙な物音が聞こえてきて首を傾げる。
何だか新浜君は喋り方が明るくなっただけじゃなくて話が上手くなったのか、話している間がずっと楽しくて暗い気持ちなんか全部吹き飛んだ。
それから、私がどうして花山さんみたいな人たちから憎まれるのか教えてもらったけど……その原因より新浜君が私を綺麗だと言ってくれたことが衝撃的だった。
(今まで綺麗と言われることは沢山あったのに……どうして新浜君に言われたらドキドキしたんでしょう)
小さいころから可愛いとか美人とかよく言われた。
けどそれは私服やアクセサリーを褒められた時と同じで、嬉しくはあるけどそれでこんなに気分が浮き立つものじゃなかった。
(新浜君から褒められるの……なんだか嬉しいです)
そうやって頬を緩ませて自分の顔を触り……なんだか熱くてムズムズした気持ちを持て余せてベッドの上でまたジタバタしてしまう。
さっきからずっとこの調子だった。
(ああもう! どうしてしまったんですか私!?)
未知の感情に翻弄されながら、私は真っ赤になった顔をベッドに押しつけた。
私は紫条院時宗。
勝ち組オブ勝ち組の52歳である
いくつになっても20代のように若々しく美しい妻と天使そのものの娘を持ち、自他共に認める大会社を経営している。
自分で言うのもなんだが誰もが羨む人生を送っているだろう。
今日も仕事を終えて愛しき我が家でくつろいでいる最中だったのだが、なんだか娘の部屋からガタガタと妙な物音が聞こえてきて首を傾げる。