第7话 紫条院春华在床上心慌意乱地手脚乱蹬(7)
「ああ、いや大したことはしてないよ。夜は流石に危ないから送っただけで」
深々と頭を下げる紫条院さんだが、本当に俺のやったことと言えば絡んできた嫉妬女子を脅迫で追い払い、紫条院さんを家まで送っただけだ。
「いいえ、本当に感謝しています。その……ええと、だから」
「ん?」
「是非、お礼に……いえ、何でもありません」
「そうか? じゃあそろそろ親も心配しているだろうし、これで帰るよ」
「はい、お気をつけて……それと……」
そこで紫条院さんは襟の乱れを直して咳払いし、俺と目を合わせた。
「その……また明日に」
「ああ、また明日な」
そうして下校イベントは終了し、俺は自分の家へと足を向けた。
(やっぱり本当にいい子だな……話せば話すほど好きになる)
自分の家へと帰る途中、俺は紫条院さんのことばかり考えながら足を進めていた。
(けど実際どうなんだろうな……紫条院さんはどれだけ俺のことを男として認識してくれているのやら)
紫条院さんはマジで天然で、自分が男子にとって非常に魅力的な異性であるという自覚に乏しい。
本人はすごく気さくに話しかけてくるが、そのせいで「俺に気がある!」と勘違いした男子は数知れない。しかし悲しいことに本人は子どものように純粋な気持ちで話しているだけなのだ。
(ま、俺のことなんて『図書委員で一緒の人』どまりだったろうな。けど今日あれこれ喋ったおかげで、多少はランクアップして『いい人』くらいにはなれたかな?)
あのほやほやしているお嬢様に「男」を認識させてあまつさえ恋愛感情に持って行くには多大な努力と時間が必要だろう。
深々と頭を下げる紫条院さんだが、本当に俺のやったことと言えば絡んできた嫉妬女子を脅迫で追い払い、紫条院さんを家まで送っただけだ。
「いいえ、本当に感謝しています。その……ええと、だから」
「ん?」
「是非、お礼に……いえ、何でもありません」
「そうか? じゃあそろそろ親も心配しているだろうし、これで帰るよ」
「はい、お気をつけて……それと……」
そこで紫条院さんは襟の乱れを直して咳払いし、俺と目を合わせた。
「その……また明日に」
「ああ、また明日な」
そうして下校イベントは終了し、俺は自分の家へと足を向けた。
(やっぱり本当にいい子だな……話せば話すほど好きになる)
自分の家へと帰る途中、俺は紫条院さんのことばかり考えながら足を進めていた。
(けど実際どうなんだろうな……紫条院さんはどれだけ俺のことを男として認識してくれているのやら)
紫条院さんはマジで天然で、自分が男子にとって非常に魅力的な異性であるという自覚に乏しい。
本人はすごく気さくに話しかけてくるが、そのせいで「俺に気がある!」と勘違いした男子は数知れない。しかし悲しいことに本人は子どものように純粋な気持ちで話しているだけなのだ。
(ま、俺のことなんて『図書委員で一緒の人』どまりだったろうな。けど今日あれこれ喋ったおかげで、多少はランクアップして『いい人』くらいにはなれたかな?)
あのほやほやしているお嬢様に「男」を認識させてあまつさえ恋愛感情に持って行くには多大な努力と時間が必要だろう。