第6话 向着第一次的一起放学event(8)
「あそこは泣くよな! そして全てが終わったかと思ったらどんでん返しのあの結末! 最高の最高だった……!」
「そうそう! そうなんです!」
女性と二人っきりで街を歩く。
社畜時代の俺にも、出張やら外勤やら飲み会やらでそういう状況に出くわすことはあった。
だが異性とのお喋りスキルなんて持たない俺はボソボソしたバッドコミュニケーションで相手への俺の心証を下げ、その結果仕事上でうまく連携出来ずに上司から怒られるということを招いてしまった。
そこで俺は一つの秘策を思いついた。
俺はゲームとかラノベとか自分の趣味を存分に語れるととても気持ちがいい。
であるなら、女性にもそうして貰えばいいのではないか? という策だ。
(これは大当たりだったんだよな……女だろうが上司だろうが飼ってるペットとか好きな野球チームのこととか好きなことを存分に喋らせれば大体みんな機嫌がよくなる。俺は相づちを打つだけだから楽だし)
「それでですね、その時主人公が……!」
実際紫条院さんはとても楽しそうだ。
彼女はずっと純文学しか読んでいなかったらしいが、図書室でラノベを見つけて以来すっかりハマってしまったらしい。
思えば俺が図書室でラノベを読んでいる時に「新浜君はライトノベルに詳しかったりしますか?」と聞いてきたのが紫条院さんとの初会話だった。
まあ、憧れの美少女に突然声をかけられたため、当然ながら当時の俺は汗ダラダラになってしどろもどろな言葉をボソボソ呟いただけだったのだが……。
「良かったよ。元気が出たみたいで」
「あ、はい。思いっきり喋ったらなんだか気分が良くなってきました」
それは何よりだ。
ああいうハラスメントな連中はさっさと忘れて、好きなことをしてマインドを癒やすに限る。それができないと俺の同期みたいに精神を病んでしまうのだ。
「そうそう! そうなんです!」
女性と二人っきりで街を歩く。
社畜時代の俺にも、出張やら外勤やら飲み会やらでそういう状況に出くわすことはあった。
だが異性とのお喋りスキルなんて持たない俺はボソボソしたバッドコミュニケーションで相手への俺の心証を下げ、その結果仕事上でうまく連携出来ずに上司から怒られるということを招いてしまった。
そこで俺は一つの秘策を思いついた。
俺はゲームとかラノベとか自分の趣味を存分に語れるととても気持ちがいい。
であるなら、女性にもそうして貰えばいいのではないか? という策だ。
(これは大当たりだったんだよな……女だろうが上司だろうが飼ってるペットとか好きな野球チームのこととか好きなことを存分に喋らせれば大体みんな機嫌がよくなる。俺は相づちを打つだけだから楽だし)
「それでですね、その時主人公が……!」
実際紫条院さんはとても楽しそうだ。
彼女はずっと純文学しか読んでいなかったらしいが、図書室でラノベを見つけて以来すっかりハマってしまったらしい。
思えば俺が図書室でラノベを読んでいる時に「新浜君はライトノベルに詳しかったりしますか?」と聞いてきたのが紫条院さんとの初会話だった。
まあ、憧れの美少女に突然声をかけられたため、当然ながら当時の俺は汗ダラダラになってしどろもどろな言葉をボソボソ呟いただけだったのだが……。
「良かったよ。元気が出たみたいで」
「あ、はい。思いっきり喋ったらなんだか気分が良くなってきました」
それは何よりだ。
ああいうハラスメントな連中はさっさと忘れて、好きなことをしてマインドを癒やすに限る。それができないと俺の同期みたいに精神を病んでしまうのだ。