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第4话 你知道3000円的重量吗(9)

……そう決心したその日の内に奴は現れた。
「おい、クソオタクの新浜。こっち向けよ」
 時は昼休み。自販機の前で財布を取り出していた俺にそいつは声をかけてきた。
(こいつは……火野か!)
 制服を着崩して耳にピアスをつけたこの男のことはよく覚えている。
 見た目や言動からわかるとおりヤンキー系であり……高校時代における俺の恐怖の象徴だった男だ。
 こいつは気の弱い男子から金を巻き上げたり遊びで殴ったりしており、俺はそのターゲットにされて在学中さんざんいたぶられて金を奪われた。
 校内でこいつに出会ってしまった時の、あの血の気が引く感覚を覚えている。
 今日も殴られるのかという恐怖に毎日怯えて身を震わせた。
 そんな男と再び出会ってしまった俺の心中は――
(ぜっっんぜん怖くねえ…………)
 あの頃抱いていた恐怖はなんだったんだと言いたくなるほど、何故か目の前のヤンキーに対して何の恐怖も感じない。

第4话  你知道3000円的重量吗


 それどころか高校生でピアス穴を開けようというその反骨心に子どもっぽさを感じて微笑ましくすらある。
「俺に何か用か?」
「ああ、てめえがチョーシ乗ってるみてえだったからヤキ入れに来たんだよ」
「は? なんだそれ?」
 確か覚えている限りこいつの行動は『ちょっと付き合ってくれや(憂さ晴らしの殴り)』と『ちょっと小遣い恵んでくれや(カツアゲ)』の二パターンしかなかったはずだ。
 こんな用件は体験した記憶がない。
「てめえは今朝紫条院と一緒に登校してただろ。そういうのぼせ上がった馬鹿は見ててムカつくんでな。身の程って奴を教えてやるよ」
(はあ? なんだその強引な理屈……ってそっか!)
「ああ、なるほど! お前って紫条院さんが好きだったんだな!」
「なっ……!」
「それで今朝俺と紫条院さんが一緒に登校しているのを見てどうしようもなくムカついたって訳か! なるほど、お前がそうだったとはなー」

第4话  你知道3000円的重量吗


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