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【村上春树】4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて

2023-11-21村上春树短篇小说 来源:百合文库

【村上春树】4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて


 四月のある晴れた朝、原宿の裏通りで僕は100パーセントの女の子とすれ違う。 
たいして綺麗な女の子ではない。素敵な服を着ているわけでもない。髪の後ろの方には寝ぐせがついたままだし、歳だっておそら くもう三十に近いはずだ。しかし五十メートルも先から僕にはちゃんとわかっていた。
彼女は僕にとっての100パーセントの女の子なのだ。彼女の姿を目にした瞬間から僕の胸は不規則に震え、口の中は 砂漠みたいにカラカラに乾いてしまう。あるいはあなたには好みの女の子のタイプがあるかもしれない 。例えば足首の細い女の子がいいだとか、やはり目の大きい女の子だなとか、絶対に指の綺麗な女の子だとか、よくわからないけれど ゆっくり時間をかけて食事をする女の子にひかれるとか、そんな感じだ。僕にだってもちろんそんな好みはある。レストランで食事をしながら、隣りのテーブルに座った女の子の鼻の形に見とれたりすることもある。しかし100パーセントの女の子をタイプファイすることなんて誰にもできない。彼女の鼻がどんな格好をしていたかなんて、僕には絶対に思い出せない。いや、鼻があったのかどうかさえうまく思い出せない。

【村上春树】4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて


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