《因为不是真正的伙伴而被逐出勇者队伍，流落到边境展开慢活人生8》-第三章(28)

リットが優しい顔で言った。
「3日くらい戦い続けて、3時間寝たらまた起きて次の場所へ移動するとか平気でしてたんだもの、 すごい人たなとは思っていたんだけど倒れるんじゃないかと心配で」
「ロガーヴィアではよく、 『あんたの出る幕じゃないから、 大人しく部屋で寝とけ!』 って毛布投げつけられたな」
「うぅ、 今思い返すと恥ずかしいな。 あの頃の私ってどうしても素直になれなくてごめんね」
「リットが俺のことを心配してくれているのは伝わってたよ、 ありがとう」
「うぅ……えへへ」
リットが顔を赤くしながら笑った。
その時、 ルーテイかピクリと反応した。
「うげうげさんが来た」
ルーティは立ち上がると窓を開く。
俺達のコテージの中へヒラリと小さな影が舞い降りた。
「ようこそ、うげうげさん」
鳩に乗ったうげうげさんは前脚を上げて挨拶する。
「テイセからの便り」
ルーティはうげうげさんの脚に結ばれているメモを取って俺に渡す。

何の便りだろう? 俺は書かれている文字に目を通した。
「ふむふむ、どうやら勇者ヴァンは魔王の船を海まで運ぶことに成功したようだ」
「あんなに巨大なものを本当に運べたんだ」
リットか驚いて声を上げた。
べヒモスの指輪と霊薬があればできるはずとは思っていたが……
「実際にできたと分かると驚くよな」
「うん、すごい あれは私でも運べない」
ルーテイもそう言って感心したように頷いている。
「となるとこの休暇ももうすぐ終わりかな? 魔王の船を回収したら、もうゾルタンに留まる理由もないだろうし」
リットは少し名残借しそうに言った。
「いや、そうでもないらしい」
「え?」
「ど、つやら出ていく前にヒルジャイアントのダンタクを討伐しに行くそうだ」
「なんで?」
リットは意味がわからず目を丸くしている。
ダンタクは、仲間のヒルジャイアントと共にゾルタンの領土の一部を占領しているモンスターだ。