《因为不是真正的伙伴而被逐出勇者队伍，流落到边境展开慢活人生8》-第三章(18)

地形の関係なのだろう。
この一帯の森は風が村の方へ流れないようになっている。
鼻につくオーガキンの獣臭を、この風が隠していたのだ。
「近いな」
「だね」
剣を抜いて警戒を強める。 
「こんなところを見つけて隠れているなんて知恵が回るやつだ」
「ますますオーガキンっほくないね、 ク世界の果ての壁クから下りてきたのかも」
リットの顔つきが凛々しくなる。英雄リットとしての顔だ。
これもまたとても魅力的なリットの顔の1つだ。
「ふふっ、休暇をのんびり過ごすレッドの顔も好きだけど、今の戦いを前にしたかっこいいレッドの顔も好きだよ」
「俺も同じことを考えていた」
その時、前方に気配を感じた。
俺達は会話を止め頷き合って、 そこからはハンドサインのみで会話する。
木々の間から覗くと森の中に木陰で雨を凌ぐオーガキン達の姿が見えた。
……2種のオーガキンかいるようだ。
1種は普通のオーガキン。ゾルタン周囲の山でも見かけるやつらだ。

もう1種は、全体的にはオーガキンの特徴を備えながら、アンバランスなほど頭がでかく、さらに右腕の筋肉が異常発達している。
あれは突然変異種なのか?
どのような加護を持っているか観察する……が。
「……分からないな」
突然変異種だからか、動きによって加護の特定かできない。
『戦士』 のようでもあり、 『妖術師』 のようでもあり、 『祈祷師』 のようでもある。
こんな感覚は初めてだ、気味が悪いが注意して戦うしか無いだろう。
俺はリットに合図を送ると同時に飛び出した。
雷光の如き脚ク で一気に斬り込み、 突然変異種のオーガキンに一太刀浴びせる。
「グオッ！？」
オーガキンの巨体が崩れ落ちた。
「問題なく倒せるか」
反応速度や耐久力は、少なくとも俺の一撃に対応できるほどではない。
「グォォォォ！！！！！」
咆哮を上げたオーガキン達の動きは、 はっきりと分かれていた。
通常種は急な襲撃に混乱したまま、 両腕を振り回して俺に襲いかかってきた。