《因为不是真正的伙伴而被逐出勇者队伍，流落到边境展开慢活人生8》-第三章(19)

「こっちはセオリー通りね！」
続いて飛び出したリットが、 ォーガキン達を背後から斬り捨てていく。
ォーガキン達はますます混乱し、腕を振り回して仲間同士で殴り合っている有り様だ。
「やはり手強いか」
突然変異種達は俺から距離を取り、 単純な横陣ではあるが陣形を組んで俺とリットを観察している。
ォーガキンにはまず見られない行動だ。
「それにあいつら武器を持っている！」
リットか叫んだ。
突然変異種の異常発達した右腕には、奇妙な光沢を放っ金属の塊が握られている。
「あれは古代エルフの遺跡にいたクロックワークの部品だ！」
「てことはあいつら古代エルフの遺跡にいたのに」
突然変異種が棍棒として握っているものは、古代エルフの遺跡を守るクロックワークの部品だ。
「気をつけろリット！」
「うん! あいつらから嫌な圧力を感じる」
たかいつまでも待っていては何をされるか分からない。
俺は銅の剣を構えて一気に駆けた。

突然変異種は太い右手を振り下ろす。
「ガアアッ！！」
「こいつ！？」
突然変異種の一撃は、俺の頭ではなく剣を狙っていた。
予想外の攻撃に俺は剣を下げて一撃をかわし、太ももの内側を斬りつけながら間合いを取った。
「ギイイ……！」
脚を斬られた痛みで突然変異種は怒りの声を上げるが、不用意に飛び込まず間合いを取ってこちらの隙を窺っている。
今のは素朴だが明らかに相手の武器を狙って無力化する動作……カ任せの暴力ではなく技を伴う武術だった。
「レッド！！」
リットが警告の叫び声を上げた。
目の前にいる突然変異種の左手が印を組んでいる。
「魔法か!」
防ごうと斬りかかったところを、 左右から別の通常種のオーガキン達が襲いかかる。
やつらを斬り伏せるのは一瞬だったが、魔法の発動を許してしまった。
「スリープ！」
人語を解さない怪物の口から魔法の名が発せられ、眠りの魔法が俺の周りで光を放った。