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《因为不是真正的伙伴而被逐出勇者队伍,流落到边境展开慢活人生8》-第二章 5/6(8)

トーネド市長はそう言ってグラスを掲げた。
周りのゾルタン貴族達も同じようにグラスを掲げる。
「乾杯」
掲げられたグラスと共に歓声が上がる。
伝説の勇者の来訪なんてゾルタンではありえないことだ。
中央の華々しい世界に憧れるゾルタン貴族達が浮かれるのも仕方のないことだろう。
「むふふ、船の上では気持ち悪くてそれどころではなかったが、今日はたつぶり飲み食いさせてもらおう」
リュブ枢機卿は大きな顔をだらしなくニヤけさせ、目の前にある料理と酒に手を伸ばしている 
「そして美食、美酒とくれば、この後は美女……目ばしい貴族に声をかけておいたから用意してくれるだろう、ぐふふ」
勇者の手前旅の間は禁欲的な生活を送ってきたリュプは、抑え込んだ欲望を発散させることができるとますます顔をだらしなくニヤけさせている。
(俗物だな……)
リュブのだらしない様子を見てエスタは心の中で苦笑した。
テオドラだった頃なら、それでも聖職者かと怒っていたところだ……。

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(ラストウォール大聖砦の外に出て勇者の旅に同行するとなると、あれくらい俗物の方がやりやすいのかも知れないな)
レッド達と共に旅をした経験は、エスタに柔軟な価値観を与えていた 
(まあ、問題はあっちか)
エスタは別の方向を見て小さく溜め息を吐いた 
 ーティーの中心にいるべき人物、勇者ヴァンは不機嫌な表情を隠そうとせず、挨拶にくる貴族へぞんざいな態度を取り続けている。
「おいヴァン」
見かねてエスタはヴァンに声をかけた。
「何ですかエスタさん」
「少し外で話そう」
「いいですね! 僕も外へ出たいと思っていたんです!」
ヴァンは元気よく返事をした……周りの人々に聞こえるほどに。
エスタは自分の額に指を押し当て唸った。
修道院では礼儀作法だって学ぶはずだが……ヴァンの態度は酷いものだ。
エスタとヴァンは、誰もいない2階のテラスへと移動する。
「 ふぅ……なあヴァン、愛想良くしろとは言わないから、不機嫌さを隠す努力はしてくれないだろうか?」

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