百合文库
首页 > 网文

蝶は聖夜に羽ばたく(四)(7)

「少なくとも十年後には、二人とも他人の血で手が真っ赤でしょうね。特に彼は既に、保護観察中だったはずよ。妹が死んでから、一家は離散。母親は娘を探すという怪しい業者に大金を搾り取られ、今は彼自身が、オレオレ許欺に加担したり、犯罪行為に身を浸している」
「そんな……」
詐欺の被害者が、詐欺の加害者になるなんて。痛みや苦労をわかっている筈はずの人が、奪う側に回るのか……。

蝶は聖夜に羽ばたく(四)


だけど事件をきっかけに家族が、人生が壊れる人を沢山見てきた。
それに被害者を詐欺に遭わせる人間はもっと邪悪だ。
そして絶望が、新しい罪を喚よぶ事もある。
「……待ち合わせ場所は何処なんですか?」
気がつくと、車は見覚えのある道を走っていた。その事に、僕は背筋がざわっとした。

蝶は聖夜に羽ばたく(四)


猜你喜欢