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蝶は聖夜に羽ばたく(四)(4)

「彼らって……協力者、ですか?……亡霊達は、悪人に悪人を殺させるんじゃないんですか」
「ええ、そうでしょうね。彼らは『亡霊』ではなく、『標本士』と呼び合っているはずだけれど」
標本士——その響きに、僕は機子さんの事を思いだした。
奇妙な一致だと思った——或あるいは必然なんだろうか。

蝶は聖夜に羽ばたく(四)


そこまで答えると、質問攻めの僕に疲れてしまったのか、彼女は短く息を洩らすと共に、唇を横に結んだ。
そのまま数分、沈黙が流れた。
どうしたらいいだろう——そう思いあぐねながら好美さんを見た。よく見ると、ハンドルを握る手が震えていた。
「……好美さん……やっぱりこんなの間違ってますよ」

蝶は聖夜に羽ばたく(四)


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