お百姓と悪魔(2)
2023-10-31 来源:百合文库
お百姓は、大きくうなづきました。
「よし、きまりだ。けれど分ける時にけんかをしないように、土の上に出来た物はお前の物。土の下に出来た物は、わしの物としようじゃないか」
「よし、おれが土の上に出来た物だな」
悪魔は喜んで、帰って行きました。
ところがかしこいお百姓は、畑にカブのタネをまきました。
さて、いよいよ取り入れの時になると悪魔がやって来て、出来た物をもらっていこうとしました。
ところが土の上に出来た物をもらう悪魔の取り分は、しぼんで黄色くなった葉っぱばかりです。
「ちくしょう。今度は、お前が得をしたが」
と、悪魔は言いました。
「この次はも、そうはいかんぞ。土の上に出来る物はお前の物で、土の下に出来る物はおれの物にしよう」
「いいとも。約束しよう」
さて、次のタネをまく季節が来ると、かしこいお百姓はカブをまかないでムギをまきました。
そしてムギが実った時、お百姓は畑ヘ行って、くきの根元からムギを全部かりとってしまいました。
悪魔が来た時には、切りかぶしかありません。
悪魔はプンプン怒りながら、どこかへ行ってしまいました。
「はっはっは。うまくいったわい」
お百姓はそう言って畑にうまっている宝物をほり出し、大金持ちになりました。
おしまい
「よし、きまりだ。けれど分ける時にけんかをしないように、土の上に出来た物はお前の物。土の下に出来た物は、わしの物としようじゃないか」
「よし、おれが土の上に出来た物だな」
悪魔は喜んで、帰って行きました。
ところがかしこいお百姓は、畑にカブのタネをまきました。
さて、いよいよ取り入れの時になると悪魔がやって来て、出来た物をもらっていこうとしました。
ところが土の上に出来た物をもらう悪魔の取り分は、しぼんで黄色くなった葉っぱばかりです。
「ちくしょう。今度は、お前が得をしたが」
と、悪魔は言いました。
「この次はも、そうはいかんぞ。土の上に出来る物はお前の物で、土の下に出来る物はおれの物にしよう」
「いいとも。約束しよう」
さて、次のタネをまく季節が来ると、かしこいお百姓はカブをまかないでムギをまきました。
そしてムギが実った時、お百姓は畑ヘ行って、くきの根元からムギを全部かりとってしまいました。
悪魔が来た時には、切りかぶしかありません。
悪魔はプンプン怒りながら、どこかへ行ってしまいました。
「はっはっは。うまくいったわい」
お百姓はそう言って畑にうまっている宝物をほり出し、大金持ちになりました。
おしまい