百合文库
首页 > 网文

鬼が笑う(3)

2023-10-31 来源:百合文库
 母親は石塔に向かってお礼を言ってから、尼さんに教えられたとおりに川へ行ってみました。
 すると橋の近くで犬が居眠りをしていたので、そろばん橋の玉を踏まないようにそろそろと気をつけて渡りました。
 無事に橋を渡りきってしばらく行くと、
♪バッタン、バッタン
と、聞き覚えのある機(はた)をおる音が聞こえて来ました。
(この音は、娘が機をおる音!)
母親はその音の方に近づいて行って、娘の名前を呼びました。
すると娘が、鬼の屋敷から走り出て来たのです。
「お母さん、どうしてここへ?!」
「お前、無事だったのね!」
母親と娘は、抱き合って再会を喜びました。
今はちょうど、鬼たちは出かけて行って留守です。

鬼が笑う


娘は大急ぎで母親にご飯を食べさせると、鬼に見つけられないように母親を石のひつの中に隠しました。
そして間もなく、鬼が帰って来ました。
鬼は家に入ると人間のにおいがすると言って、あたりをクンクンとかぎました。
「人間など、だれも来なかったよ」
娘がそう言っても、鬼は庭の花を見るために出て行きました。
庭の花には不思議な力があって、家の中にいる人間の数だけ花が咲くのです。
鬼が見てみると、今朝は一つだった花が二つ咲いていました。
「お前、人間を隠しているだろう!」
鬼が怒鳴ってきたので、娘はとっさに考えて言いました。
「そ、それはきっと、わたしのお腹に赤ちゃんが出来たからよ。そのために花が一つ増えて、二つになったのでしょう」

鬼が笑う


猜你喜欢