《因为不是真正的伙伴而被逐出勇者队伍，流落到边境展开慢活人生8》-第二章 1/6(13)

お姫様だから芸術も分かるのだろう、さすがリット。
「でも私はレッドくらいの筋肉の付き方が好きかな」
「うぐ」
不意打ちに変な声か出た俺を見て、リットはニャニヤと笑っていた。
まったく！
＊＊＊
この村では1つの宿屋があるのではなく、未使用の家屋が宿泊用コテージとして用意されている。
ゾルタンの貴族や裕福な商人はここに使用人も連れて泊まってのんびり過ごすらしい。
「こんな時季に旅人さんとは珍しいことですのう、これが部屋の鍵になります」
俺はラリーさんから真鍮の鍵東を受け取った。
ここはラリーさん夫妻が管理しているらしい。
観光業は村の仕事を引退した人の再就職先でもあるようだ。
自給自足を基本としつつ、観光業によって福祉やインフラを充実させる。
今の村を形作ったのが何代前の村長かは分からないが、きっと優秀な人だったのだろう。
「それとも経済の教育を受けた貴族か商人が手伝ったのかもね」

「かもな、ともあれお陰で快適な長期休暇を楽しめそうだ」
「森で特訓キャンプが終わったら次はコテージで優雅に休暇……面白いことばかり」
勇者ヴァンという不安もあるが……今を楽しむことにしよう
俺達は管理小屋からさらに奥へと歩き、緑豊かな木々に囲まれて立つコテージへたどり着いた。
「へえ、なかなか良いじゃない」
リットが嬉しそうに言った。
「中はどうかな」
俺は鍵を差し込みコテージの扉を開ける。
高価なものはないが実用的な家具や調理器具、そして温かみのある木彫りの小物。
内装も王都の貴族向け高級宿のような難しい工夫は無くとも、使いやすさを第一に目を楽しませて明るい雰囲気にするよう窓の位置など工夫がされている。
「とても良いところ」
ルーティは玄関ホールに入ると、パタバタと走り回り部屋を見て回る。
「寝室が3つ、洗面所にお風呂、キッチン、ダイニング、リビング、掃除用具が入った倉庫はこっち……あ、庭に野外ダイニングもある」