《因为不是真正的伙伴而被逐出勇者队伍，流落到边境展开慢活人生8》-幕间 勇者伐恶(6)

レザーメイルの男は顔をクシャクシャに歪めて笑っていた。
「『殺人鬼』 か」
ヴァンが席から立ち上がる。
「ヴァン、やつつけるの?」
「うん」
次の瞬間
「え? 」
レサーメイルの男は視界かくるりと回ったことに驚き、間の抜けた声を発した。
続けて何かしゃべろうとしたが、それ以上声は出ない。
やがて床が目の前に迫ってくるのを見て、男は自分の首が斬り落とされたことに気が付き、そして死んだ。
「悪は去った」
ヴァンは剣を納めながらつぶやく。
『勇者』 として、悪を排除するのは当然。 ヴァンは自分が殺した相手を一瞥することもなく、自分の席へと戻った。
「ひぃぃぃ！？」
酒場の客達は悲鳴を上げ店から逃げ出していった。
店主はそれを咎めることもできず、カウンターの奥で震えている。
ヴァンはそんな様子を眺め頷いた。
「かわいそうに、 『殺人鬼』 がよっぱど怖かったんだな」

「うんうん」
「こんなことなら喧嘩が始まった瞬間に殺しておけば良かったね」
「確かに! ヴァンの言、つ通り！」
静かになった酒場で、ヴァンとラベンダは楽しそうに飲み食いを続けていた。
「一体これはどうしたことだ? 」
「エスタさん！ リュプさん!」
店に入ってきた仮面の騎士が叫んだ。後ろにいる大男は神妙な顔をしている。
ヴァンは情報収集のため別行動を取っていた2人と合流できたことで、嬉しそうに笑った。
仮面の騎士エスカラータとリュブ枢機卿。
妖精ラベンダを加えたこの4人が、ヴァンの今のパーティーだ。
「人が2人も死んでいる、ここで一体何が起こったのか説明して欲しい」
エスタの声には、ヴァンを非難する感情がはっきり表れていた。
「ヴァンは 『殺人鬼』 をやっつけただけよ」
ラベンダの声にはトゲがある ラベンダはヴァンを慕っているだけで、エスタとリュブの2人には懐いていない。
「よい、ラベンダの言う通り、 『殺人鬼』 が殺人を行ったので、僕が殺しました」