《因为不是真正的伙伴而被逐出勇者队伍，流落到边境展开慢活人生8》-第一章 2/4(12)

「そうそう、前向きに行かないとね！」
相手を殺すことによってのみ成長する加護で強さが決まるこの世界。
ダナンは俺が見てきたたくさんの戦士達の中でも、最も自分の加護に愛され、そして自分の加護を愛している男だ。
『武闘家』 というありふれた加護で、他の武闘家系の上級加護持ちを圧倒するその強さは、加護との相性の良さからくるのだろう
『武闘家』 の理想形がダナンという男なのだ。
そのダナンに挑む俺の加護は 『導き手』 。
最初から強い以外の取り柄のない加護で、固有スキルがない以上相性の良さもなにもない。
だけど 『導き手』 として歩んだ人生に価値があるのだと、そうリットは言ってくれた。
敵であるガシャースラに言われた言葉と、最愛の人であるリットに言われた言葉。
その2つか加護ではなく俺という人間の強さを認めてくれたのだ。
「思い返せば、ゾルタンに来て色々な経験をしたな」
今も俺がダナンに勝てるビジョンは全く無い。

それでも俺は、このゾルタンで生きたレッドとしての力を、あの最強の『武闘家』 にぶつけてみたいと思っていた。
＊＊＊
2日後、 朝。
俺は店の入り口に本日休業の札をぶら下げた。
そして張り紙を張っておく。
「 『3日間お休みをいただきます』 っと、 これでよし」
「こっちも準備できたよ」
アイテムボックスにテントなどを収めたリットが言った。
「ゾルタンは気軽に店を休めていいな」
「みんな、 『今日は春の陽気で働く気になれないので休みます』 とか普通にやってるもんね」
「他の町なら文句を言われそうだが、働く気になれないなら仕方がないと考えて笑うのがゾルタン人だ……最初は戸惑ったが、今では俺もすっかり馴染んだよ」
俺達は声を上げて笑った後、ヤランドララとの待ち合わせ場所へと向かう。
「レッド 」
待ち合わせの広場には、ヤランドララがすでに来ていた。
「ちょっと早めに出たんだがヤランドララの方が早かったか」