《因为不是真正的伙伴而被逐出勇者队伍，流落到边境展开慢活人生8》-第一章 2/4(10)

「え?」
ャランドララは俺の肩を掴み、 キラキラした目で俺を見ている。
「ダナンとの手合わせに備えて戦いの勘を取り戻すなら私と特訓するのが番よ！」
「え……そうかな?」
「どう考えてもそうでしよう」
そう言い切るヤランドララを、隣にいたリットがやんわりと俺から引き離す。
「でもャランドララの 『木の歌い手』ってメインは精霊魔法でしょ?」
リットの言葉にヤランドララはニャリと笑った。
「ふふつ、 こう見えて私、とある武術流派の開祖だったりするのよ」
「武術流派? いやいや、 いくら長生きしているからってそんな……」
リットが首をかしげるのも無理はない。
ャランドララの普段の振る舞いから、実は彼女か大陸中に広まる一大武術流派の開祖だとは思いもしないだろう。
「だけど本当だよ、 ヤランドララは蓮華流棒術を編み出した本人なんだ」
「えええっ! 私もそれ知ってる！！」
リットは驚いてャランドララの顔を見た。

優しげに笑う彼女から、武術家の顔をリットは見いだせていないようだ。
リットはまだ「冗談だよね?」という表情をしていた。
しかし本当だ。
蓮華流は武術書を公開していることで知られる流派である。
この大陸中の国々で、冒険者や村の自警団といった幅広い庶民の間で用いられ、 傍流合わせれば学んだ者の最も多い武術流派と言ってもし、いだろ。
木の棒を1本用意すればいい気軽さと、両手で棒を扱う技法が両手剣や槍にも応用できることから、 軍でも基礎訓練に採用しているところもある。
ダナンのような最強を目指す武術ではなく、誰もが強くなれる武術という理念
それがヤランドララの武術だ。
「はあー、驚いた」
椅子に座ったリットは心底驚いた様子だ。
「ヤランドララって有名人だったんだね」
「他にも水軍率いたり、傭兵団作って故国を救ったり、薬草学の本を書いたり、 ヤランドララは本当に色々やってきてるよな」
俺の言葉にヤランドララは胸を張る。