秘密の花園(4)
メリーはコリンを車いすに乗せると、外へ連れ出しました。
青白いコリンの頬(ほほ)は、まぶしい日の光をあびて、サクラのように赤くなりました。
「ぼく、なんだか元気になっていくみたいだ。ぼくの体の奥から、『生きたい、ずっと生きていたい!』って、声がするみたいだ」
メリーとジッコンは車いすを押して、二人で手入れをした花園へ行きました。
木々の緑の葉はキラキラとかがやき、赤やピンクのバラの花は、妖精(ようせい)のドレスのように美しくさいています。
コリンは、メリーとジッコンに言いました。
「ぼく、きっと元気になるよ。そしてこの美しい花園を、自分の足で散歩するんだ」
それからコリンは、ほんとうによく食べるようになりました。
肉もついてきて、とても健康(けんこう)そうに見えます。
召し使いもお医者さんも、コリンが元気になっていくのを見てビックリです。
あとは、コリンが勇気(ゆうき)を出して、車イスをおりて、自分の足で歩くだけです。
メリーもジッコンも、コリンをはげましました。
ですが、コリンはなかなか、最初の一歩をふみ出す勇気が出ませんでした。
何日かすぎて、庭番(にわばん)のべンおじいさんが、秘密の花園にはいっているコリンを見ておどろきました。
「おめえさまは、体がまがっているんじゃねえのかい?」
コリンはそのとき、体の奥から力がわいてきました。