秘密の花園(3)
と、心にちかったのです。
それから、もう一つの秘密も知りました。
それは、おじさんの息子のコリンが、図書室のカーテンのむこうの部屋にいることです。
コリンは長い間、背中と足のまがってしまう病気のために、ベッドで寝たきりでした。
ある夜、メリーは泣き声を聞いて、そっとカーテンのむこうの扉を開けたのです。
そのときが、メリーとコリンとの初めての出会いでした。
コリンは、元気そうなメリーに言いました。
「お前みたいに健康(けんこう)なやつには、ぼくの気持ちなんかわかるもんか。ぼくはどうせ、もうすぐ死ぬんだ。とうさんも、屋敷のみんなも、それをねがっているんだ」
メリーはコリンに、かなしそうに言いました。
「おねがい。そんなふうに思わないで。私が友だちになるわ」
その日から、メリーはコリンに話を聞かせたり、遊び相手になったり、ジッコンのことも秘密の花園のことも話しました。
何日かたって、ジッコンも小リスや小鳥をポケットにいれ、生まれたばかりの子ヒツジを連れて、コリンの部屋をたずねました。
コリンはとても喜び、ジッコンとも仲良くなりました。
今までは、誰の言うことも聞かず、
「ぼくは死ぬんだ、ほっておいてくれ」
と、言うばかりだったコリンも、だんだんメリーとジッコンに心を開くようになりました。
そして、メリーにたのんだのです。
「ぼくを外に連れていってよ。花園を見てみたいよ。ぼくのお母さんが愛した花園だもの。ぼくはどうしても見たいんだ」