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お団子コロコロ(2)

2023-08-02日语睡前故事20210331 来源:百合文库
「おばあさんや、大変じゃ! 鬼どもが来るぞ! はよう、わしの後ろに隠れるがいい」
「ヘいへい、ありがとうさんで」
 おばあさんは、お地蔵さまの後ろに隠れました。
 やがて赤鬼と青鬼がやって来て、鼻をピクピク動かします。
「ふんふん、くさいぞ、人間くさい。・・・そこにいるな!」
 おばあさんは、すぐに捕まってしまいました。
 おばあさんを屋敷へ連れて帰った鬼が、しゃもじを一つ渡して言います。
「米粒を一つ、カマに入れて、水をいっぱいにして炊くんだ。煮えたら、このしゃもじでグルリとかき回す」
 言われた通りにすると、お米はムクムクと増えて、まっ白なごはんがカマいっぱいになりました。
「あれまあ。何て不思議な、しゃもじじゃろう」
 おばあさんは毎日、せっせとごはんを炊きました。
 でも、家に帰りたくて仕方がありません。
 そこである日、鬼どもが山ヘ遊びに行っているすきに、不思議なしゃもじを持って逃げ出しました。
 間もなく、おばあさんの行く手に大きな川が現れました。
 けれども都合のいい事に、舟が一そうつないであります。

お団子コロコロ


 おばあさんの乗った舟が川の真ん中辺りまで行った時、鬼どもが岸まで追いかけて来ました。
「おいみんな、水を飲んで舟を止めよう」
 鬼どもは岸に並んで、川の水をガボガボと飲み始めます。
 水はドンドン少なくなって、舟はとうとう動かなくなってしまいました。
「困ったのう、どうすベえ。おお、そうじゃ」
 おばあさんはしゃもじを取り出し、舟の中でひょっとこ踊りをしました。
♪あっそれ、よいよい、すっとんとん。
 その踊りがあまりにも面白いので、鬼どもは思わず、
「ワッハッハッハッ・・・」
 途端に飲んだ水が口から吹き出して、流れ出た水の勢いで舟は向こう岸に着きました。
 おばあさんは、お地蔵さまの原っぱを通って穴をよじ登り、どうにか家に帰る事が出来ました。
 さて、家に帰ったおばあさんが、このしゃもじでお米の粉をこねてみると、粉はドンドン増えてビックリするくらい大きなお団子が出来ました。
 こうして、お団子作りの上手なおばあさんは、不思議なしゃもじで、いつまでもいつまでも、お団子を作ったということです。
おしまい


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