お団子コロコロ
2023-08-02日语睡前故事20210331 来源:百合文库
むかしむかし、お団子(だんご)を作るのが、とても上手なおばあさんがいました。
ある日の事、おばあさんがお団子を作っていると、そのうちの一つが、コロコロコロと、転がり落ちて、外へ行ってしまいました。
「これこれ、お団子よ、待ってくれ」
お団子は、コロコロコロコロ転がって、道ばたの穴にストンと落ちました。
追っかけて来たおばあさんも、続いて穴の中にストンと落ちてしまいました。
穴の中は広い原っぱで、石のお地蔵さまが退屈そうに立っています。
「お地蔵さま、わたしのお団子が、来なかったかの?」
「来た、来た。わしの前を通って、向こうの方へ、コロコロコロ」
「ありがとよ」
おばあさんが少し行くと、また、お地蔵さまが立っていました。
「そのお団子なら、向こうの方へ、コロコロコロ」
おばあさんは教えられた通りに行くと、またお地蔵さまです。
「ああ、あのお団子は食べたよ。とってもおいしかった。ごちそうさん」
「おんやまあ。お地蔵さまが食ベたのなら、まんず、よかんべ」
その時、ドスンドスンと、大きな足音が近づいて来ました。