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なまけ者と貧乏神(2)

2023-08-01 来源:百合文库
 まあ、出て行ってくれるのなら、おれもありがたい。
 せめて見送ってやりたいが、おれも腹が減って動けないんだ。
 だから悪いけど、勝手に出て行ってくれ」
 そう言って再び寝ようとする男に、貧乏神は言いました。
「まあ、寝るのはもう少し待って、わしの話を聞くんじゃ。
 わしはな、貧乏神とはいえ、これでも立派な神のはしくれだ。
 長年世話になったのに、礼もせんと出て行くわけにはいかん。
 そこでお前に、一つ良い事を教えてやろう」
「良い事?」
「ああ、明日の日の出と共に、この家の前を宝物を積んだ馬が通る。
 一番目の馬は、金を積んどる。
 二番目の馬は、銀を積んどる。
 三番目の馬は、銅を積んどる。
 そのどれでもええから、馬を棒で殴ってみろ。
 そうすればその馬の宝は、お前の物になる」
「なるほど、確かにそれは良い話しだ。
 して、殴ってもいい馬は、一頭だけか?
 三頭とも殴っては、駄目なのか?」

なまけ者と貧乏神


「ほっほほほ。
 なんじゃ、急に欲が出てきたか。
 もちろん、三頭全部でも良いぞ。
 三番目の馬だけなら、普通の暮らし。
 二番目の馬も加われば、裕福な暮らし。
 一番目の馬も加われば、お前は長者になれるじゃろう。
 だがな、その最後に通る四番目の馬だけは、決して殴るなよ。
 その馬は、わしが出て行く為の馬だからな」
「わかった。最後のは殴らん」
 男はそう言うと、また寝てしまいました。
さて次の日、日の出と共に起きるはずの男は、いつものなまけぐせで少し寝坊をしてしまいました。
「いけねえ! 寝過ごした!」
 男があわてて家を飛び出すと、ちょうど家の前を立派な荷物を積んだ馬が通ろうとしていました。
「よし、間に合った。あれが金の馬だな。これでおれは、長者になれるぞ」
 男は庭から物干し竿を持ち出すと、その馬の頭めがけて物干し竿を振り下ろしました。
「えいっ!」
 しかし物干し竿が長すぎて、途中の木の枝に引っかかってしまったのです。

なまけ者と貧乏神


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