戴拿奥特曼官方小说/序章(日语原文)(3)
つまりは地球だけに留まらず、今日に至るまで人類が多大な犠牲を払いながらも推し進めてきた宇宙開発の最先端――火星、木星、土星にそれぞれスーパーGUTSの新なチームが配備されることになった。
この十数年で、月面のガロワ基地は航宙基地機能を大幅に強化。地表には広大な宇宙機発着場と資料のポータルとしての性格を強めた。
ここを拠点に、各惑星・準惑星に配置された宇宙ステーションや衛星基地群の建設・拡張も加速し、それに伴うリスクマネジメントの必要性も増大。これに対応すべきく、木星第三衛星ガニメデのバーナード基地にはスーパーGUTSジュピター、土星第六衛星タイタンのシャングリラ基地にはスーパーGUTSサターンが新設され、太陽系内の小惑星帯以遠における安全保障に尽力している。
そして地球の防衛チームはネオ・スーパーGUTSと改名され、スーパーGUTSの隊員たちは、TPCの総監に就任したヒビキと、ZERO教官となったマイ以外は全員、火星に赴任。スーパーGUTSマーズの初代メンバーとしてその責任を担うこととなった。
スーパーGUTSマーズの初代隊長にはコウダが選ばれ、リョウは副隊長となった。
カリヤ、ナカジマも、重責を担ったコウダとリョウを今まで以上に力強くサポートした。最強のチーム、火星に健在だ。
それから十年余りの月日は目まぐるしく過ぎ去った。地球にはウルトラマンダイナがいなくなった後も、以前同様、様々な怪獣が出現した。だがTPCの今まで培ってきた経験と科学力、そして何よりネオ・スーパーGUTSの的確な対処により怪獣災害は最小限度の被害で抑えられた。
そして宇宙においても、スフィア破滅後、侵略者の数は激減したものの、脅威は幾度となく訪れた。だがそれぞれの惑星やその衛星に配備された新生スーパーGUTSの各チームは、ネオマキシマエネルギーを基本とする強力な戦力によって、侵略者と宇宙怪獣をせん滅。宇宙開発の防人としての役割を十二分に果たしてきた。
それが可能となったのは優れた戦力だけの結果ではないことをリョウは知っていた。
任務に携わった隊員たち、すべての胸には、この世界を守りぬいた男――アスカ・シンの魂が宿っている。未知なる脅威を前にしても決して諦めず、前に進もうという強い意志が、今はこの太陽系すべてに広がっているのを、リョウはしっかり感じていた。