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タヌキの手習い(2)

2023-07-31日语睡前故事20210225 来源:百合文库
 子ダヌキたちは熱心に勉強をして、読み書きがとても上手になりました。
 すると村の子どもたちもやって来て、一緒に勉強を教えて欲しいと言いました。
「ああ、遠慮はいらんぞ。仲間は多ければ多いほど、はげみになるからのう」
 こうして子ダヌキと村の子どもたちは、一緒に勉強をする様になりました。
ある日の事。
村の子どもたちが近くの川でとった魚を、源哲和尚に差し出しました。
「勉強を教えてくれる、お礼だよ。酒のさかなに、してくれろ」
その日の帰り道、子ダヌキたちは集まって相談をしました。
「人間の子が、和尚さんに勉強を教えてくれるお礼をしたぞ。おらたちも、何かお礼をせんとな」
「ああ、恩は返さんとな。しかし、おらたちは何をする?」
「うーん。そう言えば和尚さんは、雨の日に酒を買いに行くのがなんぎじゃと言うとったぞ」
「それじゃ! 雨の日は、おらたちが酒を買いに行こう」
それから雨の日になると、子ダヌキたちは人間の子どもに化けて酒屋にお酒を買いに行き、源哲和尚に届ける様になりました。
 ところが酒屋の主人が、雨の日に子どもたちがお酒を買いに来ると、お金の中に木の葉がまじっている事に気づいたのです。

タヌキの手習い


「あの子どもたちは、きっとタヌキかキツネに違いない。今日こそは、尻尾をつかんでやる!」
 そうとは知らない子ダヌキたちは、いつもの様に木の葉をお金に変えてお酒を買いに行きました。
 すると酒屋の主人が店の入り口にカギをかけて、太鼓(たいこ)を『ドン!』 とならしました。
 いきなりの太鼓にびっくりした子ダヌキたちは、尻尾を出してタヌキの姿に戻ってしまいました。
「やっぱり、お前らはタヌキじゃったんだな! このいたずらダヌキめ!」
 酒屋の主人にひどいめにあわされた子ダヌキたちは、それからは二度と人前に姿を現さなくなりました。
この話を聞いた源哲和尚は、ぽろりと涙をこぼしました。
「あの子たちが、タヌキじゃったとはな。よく勉強の出来る子どもたちだったのに、わしの為にかわいそうな事をした」
 でも、この事で村人たちは源哲和尚のやさしい人柄(ひとがら)を知り、それからはお寺に親しく行き来する様になったそうです。
おしまい


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