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タヌキの手習い

2023-07-31日语睡前故事20210225 来源:百合文库

タヌキの手習い


むかしむかし、ある空き寺に、源哲(げんてつ)という名前の新しい和尚(おしょう)さんがやって来ました。
 村人たちは新しい和尚さんにあいさつをしようと、畑仕事を途中で終えるとお寺にやって来ました。
「こんにちは、和尚さん。・・・?」
「はて? どこにも、おらんようじゃが」
 村人たちが和尚さんを探すと、何と源哲和尚はお堂の屋根の上でお酒を飲んでいたのです。
 これには村人たちも、すっかりあきれて、
「坊主のくせに、昼間から酒を飲んでおるとは」
「あんなやつ、相手にしとれんわい」
と、みんな帰ってしまいました。
 村人たちからは相手にされなくなった源哲和尚ですが、裏山に住む子ダヌキたちには気に入られて、
「和尚さん。 おらたちに、何か教えてくれ」
と、子ダヌキたちは人間の子どもに化けて、遊びに来たのです。
「いいとも、いいとも。それじゃあ、読み書きを教えてやろう」
 子ども好きの源哲和尚は、子ダヌキたちに喜んで勉強を教えてやりました。
「和尚さん。お月さまって、どう書くんじゃ?」
「和尚さん。おらには、山と海じゃ」

タヌキの手習い


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