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青テングと赤テング(3)

2023-07-18日语睡前故事20210220 来源:百合文库
「ふん、おれたちは今、けんかをしているんだぞ。だいたい、そんなチャラチャラした物なんているか!」
 赤テングはそう言って、自分の山へ帰って行きました。
 でも本当は、青テングの持っているお姫さまの着物がほしくてたまらなかったのです。
「いいなあ、青テングのやつ。けんかをしていなければ、あのきれいな着物がもらえたのに。・・・でも、城に鼻をのばすだけでいいのなら、おれにも出来る。よし、おれもやってみよう。鼻、のびろー。鼻、のびろー。どんどんのびて、城へ行けー」
 赤テングの赤い鼻が、スルスルとお城ヘのびていきました。
 そのころお城では、お殿さまが家来たちに武芸(ぶげい)のけいこをさせていました。
「気を抜くな! 敵国は、いつ攻めてくるかわからんぞ! 気合いを入れろ!」
 するとそこへ、赤テングの赤い鼻がのびて来ました。
「おや? なんだ、この赤い物は?」
「もしかして、敵国の新しい武器か?!」
「とにかく、切れ!」
 お殿さまの命令に、家来たちはいっせいに鼻へ切りかかりました。
 さあ突然鼻を切りつけられて、赤テングはびっくりです。

青テングと赤テング


「ウギャアー! 痛い、痛い!」
 かわいそうに赤テングは、テングのじまんである鼻をボロボロにされてしまいました。
 赤テングがションボリ岩にすわっていると、青テングがやって来ました。
「おーい、赤テング、元気か? ・・・おい! どうしたんだ、その鼻は?!」
「いいから、ほっといてくれ。おれたちは、けんかをしているんだから」
「そうはいかないよ。おれたちは、友だちだろう。さあ、見せてみろ。・・・ああ、これはひどいきずだ。でも心配するな、けがに良く効くカッパのぬり薬を持って来てやるからな。それに、きれいな着物も半分やるよ」
 青テングのやさしい言葉に、赤テングは泣き出してしまいました。
 これがきっかけで赤テングはけんかをやめて、青テングとまた仲良く暮らすようになりました。
おしまい


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