青テングと赤テング(2)
2023-07-18日语睡前故事20210220 来源:百合文库
「まあな、おれたちは仲良しだから」
「それがだめなんだ。けんかをしないから、おれたちは進歩(しんぽ)がないんだ」
「そうかなあ? 仲良しなのは、良い事だと思うけどな」
「ともかく、今日からおれとお前は、けんかをしよう。いいか、けんかをしているんだから、しばらくは一緒に遊ばんぞ」
「うーん、なんだかよくわからんが。お前がそこまで言うなら」
こうして青テングと赤テングは、はじめてのけんかをはじめたのです。
その日から青テングと赤テングは別々の山で暮らすようになり、出来るだけ顔を合わさないようにしました。
そんなある日、青テングが一人で下界をながめていると、お城の庭で何かがピカピカと光っていました。
「ん? あれはなんだろう? どうしてあんなに、光っているんだ?」
気になった青テングは、自分の鼻をお城までのばしてみる事にしました。
「鼻、のびろー。鼻、のびろー。どんどんのびて、城へ行けー」
さて、お城ではお姫さまの侍女たちが、お姫さまの着物を虫ぼしをしているさいちゅうでした。
「このお着物は、何て素晴らしいのでしょう。金や銀の糸がお日さまにキラキラとかがやいて、まるで宝石のようだわ」
「でもこれ以上は、ほすところがありませんわ。お着物はまだまだあるのに、どういたしましょう?」
そこへ青テングの青い鼻が、スルスルとのびて来たのです。
「あら、ちょうどここに、青竹がありますわ。でも、ずいぶん長い青竹だこと」
侍女たちは次から次へと、青テングの鼻に着物をほしました。
「なっ、なんだ? やけに鼻が重くなってきたな。何があったんだ? 鼻、ちぢまれー。鼻、ちぢまれー。ちぢんでちぢんで、元に戻れー」
すると青テングの鼻は、色とりどりの着物をひっかけたままちぢんでいきました。
「あれえ! お姫さまのおめしものが!」
侍女たちは大あわてですが、どうする事も出来ません。
こうして青テングは、お姫さまのきれいな着物を手に入れる事が出来たのです。
青テングがお姫さまの着物を着て喜んでいると、久しぶりに赤テングがやって来ました。
「おい、お前は何をおどっているのだ?」
青テングは、きれいな着物を見せながら言いました。
「いいだろう。城に鼻をのばしたら、こんなにきれいな着物がついてきたんだ。欲しければ、お前にもわけてやるぞ」
「それがだめなんだ。けんかをしないから、おれたちは進歩(しんぽ)がないんだ」
「そうかなあ? 仲良しなのは、良い事だと思うけどな」
「ともかく、今日からおれとお前は、けんかをしよう。いいか、けんかをしているんだから、しばらくは一緒に遊ばんぞ」
「うーん、なんだかよくわからんが。お前がそこまで言うなら」
こうして青テングと赤テングは、はじめてのけんかをはじめたのです。
その日から青テングと赤テングは別々の山で暮らすようになり、出来るだけ顔を合わさないようにしました。
そんなある日、青テングが一人で下界をながめていると、お城の庭で何かがピカピカと光っていました。
「ん? あれはなんだろう? どうしてあんなに、光っているんだ?」
気になった青テングは、自分の鼻をお城までのばしてみる事にしました。
「鼻、のびろー。鼻、のびろー。どんどんのびて、城へ行けー」
さて、お城ではお姫さまの侍女たちが、お姫さまの着物を虫ぼしをしているさいちゅうでした。
「このお着物は、何て素晴らしいのでしょう。金や銀の糸がお日さまにキラキラとかがやいて、まるで宝石のようだわ」
「でもこれ以上は、ほすところがありませんわ。お着物はまだまだあるのに、どういたしましょう?」
そこへ青テングの青い鼻が、スルスルとのびて来たのです。
「あら、ちょうどここに、青竹がありますわ。でも、ずいぶん長い青竹だこと」
侍女たちは次から次へと、青テングの鼻に着物をほしました。
「なっ、なんだ? やけに鼻が重くなってきたな。何があったんだ? 鼻、ちぢまれー。鼻、ちぢまれー。ちぢんでちぢんで、元に戻れー」
すると青テングの鼻は、色とりどりの着物をひっかけたままちぢんでいきました。
「あれえ! お姫さまのおめしものが!」
侍女たちは大あわてですが、どうする事も出来ません。
こうして青テングは、お姫さまのきれいな着物を手に入れる事が出来たのです。
青テングがお姫さまの着物を着て喜んでいると、久しぶりに赤テングがやって来ました。
「おい、お前は何をおどっているのだ?」
青テングは、きれいな着物を見せながら言いました。
「いいだろう。城に鼻をのばしたら、こんなにきれいな着物がついてきたんだ。欲しければ、お前にもわけてやるぞ」