青テングと赤テング
2023-07-18日语睡前故事20210220 来源:百合文库
むかしむかし、ある山のてっぺんに、とても仲の良い青いテングと赤いテングが住んでいました。
青テングと赤テングはいつも山のてっペんから、人間たちのいる下界をながめています。
ある日、赤テングが青テングに言いました。
「なあ、青テングよ。おれたちがこの山に来てから、何年になるかな?」
「そうだな、かれこれ五百年になるかな」
「五百年か。こうして下界の様子を見ていると、おもしろいように変わっていくが、おれたちはちっとも変わらんな」
「ふむ、人間どもは年がら年中、いつもいそがしくけんかをしているからな」
「うん? けんかをすると、変わるのか?」
「そりゃあ、そうだ。せっかくきれいな町をつくっても、人間どもはけんかをはじめて全部燃やしてしまう。そしてまたせっせと新しい町をつくっては、またけんかをして燃やしてしまう。まったく、あきずによくするもんだよ」
それを聞いた赤テングは、手をたたいて言いました。
「そうか! おれたちも、けんかをしよう!」
「おいおい、突然どうしたんだ?」
「おれとお前は、一度もけんかをした事がないだろう。五百年もここにいるのに」