うみの最後の夢、叶えてくれますか。(10)
おかーさんはそういう人だって、私は知っている。絶望の中で生きていて、優しさだけが周りをかすかに灯ってる人。
だからこそ、そういうおかーさんに、自分の眩しさと、自分の幸せを、届けに来たの。
ーBGM结束ー
「しょうがないですね」
「うみちゃん?」
「うみが見せてあげる。」
「え?」
「さっき言ったよ、しろはちゃんを待ってる人がいるって、しろはちゃんは楽しい未来を過ごすって。その証を、見せてあげる。」
うみはおかーさんに手を伸ばす。
指先から、光が零れる。
ーBGM:虹の蝶ー
「うみちゃん、これはなに?」
「しろはちゃん、これを握ってください。うみは、これをしろはちゃんに届けるために来たの。少しだけ遠い未来の、思い出たち」