うみの最後の夢、叶えてくれますか。(11)
優しい光を放ちながら、未来の良い思い出を、おかーさんに語っているんだ。
【回忆】
「これは…夢なの?」
「違います。思い出です」
「思い出……私、知らない、こんな楽しい思い出ないよ」
「全部、本当にあったことです。いろんな人が、楽しいことが、おかーさんを待ってるんです」
「私はうみちゃんのおかーさんのも、本当のこと?」
「本当だから。おかーさんは、私の大好きなおかーさん」
「!?」
「そんなぼっちになるはずのおかーさんは、おとーさんと出会った。ふたりで楽しい夏休みを過ごした。一緒に魚釣りをしたり、家で紙飛行機を作って競争したり…」
うみは、そんな夏休みを知らなかったから、羨ましかった。
「そして、おとーさんと恋をした。あかちゃんまでできた」