第3话 和憧憬的少女跨越时光的再会(6)
しかも時期を同じくして実家の企業も重度の経営不振に陥って、紫条院家は一気に没落してしまった。このせいで家族が娘の状態を把握するのは遅れた。
その結果……紫条院さんは自殺未遂を起こした上に人形のように無感情になり、精神病院にずっと入院したままということだった。
被害者が大会社の令嬢ということでニュースでも報じられて紫条院家はその主犯達を訴えたが、その動機は『美人で男性社員の注目を集めるのが気にくわなかったから』と供述したらしい。
(紫条院さんの側に誰か頼れるパートナーがいて……支えたり逃げ道を教えたりしてあげればそんな破滅的な未来は訪れなかった……のか?)
そのポジションに俺が立てるかどうかなんてわからない。
けど今はともかく彼女と少しでもお近づきになりたい。
「紫条院さんは朝から元気だな」
「うふふ、昨日も遅くまで本を読んでいましたから、こう見えて今日はお布団から出るのが大変なだったんですよ。ほら、『ゼロの使いっ走り』の7巻です」
「ああ! あの巻面白いよな! 特に主人公のゲンナイが主人を守るために七万の軍勢に一人で立ち向かうのがすっごい熱くて!」
「そうそう! そうなんです! この胸にぎゅーっと来てる感動を新浜君と分かち合えて嬉しいです!」
通学路を歩きながら、俺は美しい思い出になっていた紫条院さんと時を超えて至福の会話を交わす。
「あれ……けど新浜君今日は何かいつもと違いますね」
「え? そ、そうかな?」
「はい、いつも私と話す時は言葉少なめで顔も伏せがちで……今日はとても明るくてちょっとびっくりしています」
あ、そっか……そう言えば当時の俺って紫条院さんが眩しすぎて「……うん」とか「あ、ああ……あれいいね……」とか陰キャ丸出しのしゃべり方しか出来てなかったな……。
大人になった俺だって別に明るい陽キャにクラスチェンジできた訳じゃない。
その結果……紫条院さんは自殺未遂を起こした上に人形のように無感情になり、精神病院にずっと入院したままということだった。
被害者が大会社の令嬢ということでニュースでも報じられて紫条院家はその主犯達を訴えたが、その動機は『美人で男性社員の注目を集めるのが気にくわなかったから』と供述したらしい。
(紫条院さんの側に誰か頼れるパートナーがいて……支えたり逃げ道を教えたりしてあげればそんな破滅的な未来は訪れなかった……のか?)
そのポジションに俺が立てるかどうかなんてわからない。
けど今はともかく彼女と少しでもお近づきになりたい。
「紫条院さんは朝から元気だな」
「うふふ、昨日も遅くまで本を読んでいましたから、こう見えて今日はお布団から出るのが大変なだったんですよ。ほら、『ゼロの使いっ走り』の7巻です」
「ああ! あの巻面白いよな! 特に主人公のゲンナイが主人を守るために七万の軍勢に一人で立ち向かうのがすっごい熱くて!」
「そうそう! そうなんです! この胸にぎゅーっと来てる感動を新浜君と分かち合えて嬉しいです!」
通学路を歩きながら、俺は美しい思い出になっていた紫条院さんと時を超えて至福の会話を交わす。
「あれ……けど新浜君今日は何かいつもと違いますね」
「え? そ、そうかな?」
「はい、いつも私と話す時は言葉少なめで顔も伏せがちで……今日はとても明るくてちょっとびっくりしています」
あ、そっか……そう言えば当時の俺って紫条院さんが眩しすぎて「……うん」とか「あ、ああ……あれいいね……」とか陰キャ丸出しのしゃべり方しか出来てなかったな……。
大人になった俺だって別に明るい陽キャにクラスチェンジできた訳じゃない。