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第2话 一觉醒来竟是16岁(5)

「かあ……さん……」
「? 何? まだ寝ぼけてるの?」
 生きている。
 生きて喋っている。
 俺への心配から倒れて、そのまま亡くなってしまった母さんが――
「か、かあさん! うわあああああああああああ!」
「ちょっ、どうしたの高校生にもなって! 変なものでも食べたの!?」
 困惑する母さんに縋り付いて俺は泣きわめいた。
 涙は激情のままにどんどん溢れて、いつまでたっても枯れることはなかった。
(もう一度母さんに会えるなんてな……)
 母さんに再会してさんざん泣いた俺は、なんとか冷静さを取り戻して「母さんが俺のせいで死んでしまった夢を見た」と朝っぱらからの号泣の理由を取り繕った。
 それに対して母さんは「もう、縁起でもない夢を見ないでよ」と言いつつも俺の不安を晴らすように頭をぽんぽんと叩いた。
 その子どものころからのあやし方にまた涙が出そうになったが、なんとかそれを堪えることができたのは大人の精神力があってこそだろう。

第2话 一觉醒来竟是16岁


(今度の人生は……ちゃんとした道を歩んで母さんに心配はかけない。美味しいものを食べさせたり旅行に連れて行ったりして幸せになってもらうんだ)
 そんなことを考えながら、俺は12年ぶりに懐かしの通学路を歩いていた。
(ああ……ここは本当に過去の世界なんだな……)
 時代の変化はただ道を歩くだけであちこちに見つかる。
 スマホの代わりに人々が手にしているのはガラケーだ。
 チャットアプリや高グラフィックなゲームがまだないためか、歩き携帯をする人はかなり少ない。
 コンビニを見ても吸収合併されたはずのサーベルケーやゴゴストアなどが当たり前のように存在している。
(この学ランタイプの学生服もカバンも懐かしいよなあ……)
 制服に袖を通すと、なんとなく社会人だった自分が薄れて高校時代の自分が戻ってきたような気がする。
(当時は行くのが億劫だった学校がなんか楽しみになってきたな。勉強もスポーツもクラス活動も何もかも頑張ろうって気になってる。未来があるってこんなに素晴らしい気持ちなのか……)

第2话 一觉醒来竟是16岁


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