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たごかつぎ(2)

2023-11-01 来源:百合文库
吉四六さんは喜んで、
「さあ、いよいよ子馬が産まれるぞ」
と、思いましたが、あいにく今日は町へ行って、下肥(しもごえ→人の糞尿を肥料としたもの)をくみに行く日なのです。
そこで吉四六さんは、メス馬の青の事を奥さんによく頼んで町へ出かけました。
吉四六さんが大急ぎで肥(こえ)をくみ、重たいたごをかついで町はずれまで帰ってくると、向こうの方から急ぎ足でやって来た平助とばったり出会いました。
「平助、どこへ行くんだ?」
「ああ、町へ買い物に行くんだ」
 ここで平助は、吉四六さんをだますうそを思いつきました。
「そうだ! そんな事より吉四六さん、大変だぞ!」

たごかつぎ


「どうしたんだ?」
「お前の青が子を産みかかったが、とても難産で親も子も死にそうなんだよ」
「そりゃ、本当か!」
 吉四六さんはたごをかついだまま、顔色を変えて駆け出そうとしましたが、急に立ち止まると言いました。
「おっと。すっかり忘れていた。
馬のお産だったら、何も心配はない。
実はおれの家には、庄屋さんからもらった馬の薬があるんだ。
どんな難産でも、それを一服飲ませるとすぐに子馬が産まれるという妙薬だよ。
かみさんに頼んでおいたから、今頃はもう無事に産まれているに違いない」
すると、平助は言いました。
「でもそう言えば、みんなで大騒ぎしていたぞ。奥さんがその薬の置き場所を忘れたのかもしれないよ」

たごかつぎ


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