《因为不是真正的伙伴而被逐出勇者队伍，流落到边境展开慢活人生8》-第二章 3/6(10)

「どうだろうな」
「会ってみたいな」
「それは叶わないだろう」
「そうですね、我々の目的は魔王の討伐ですから、無駄な寄り道はできませんよね」
「いや、あいつは死んだんだ。だから会えない」 
ヴァンはハッと息を呑んだ。
「すみません、仲間の死を思い出させてしまって」
「気にするな。 思い出してしまったのは私だ」
「そうそう! ヴァンは何も悪くない！きっとエスタが小言を言い過ぎてストレスで死んじゃったんだ！」
「こら、ラベンダ！」
ヴァンは、肩に座るラベンダ を叱るが、ラベンダはエスタに向かってあっかんべーと舌を出すと、ヴァンのポケットへと逃げ込んだ。
「とにかく宿を取ろう、私は船旅が苦手なんだ」
リュブ枢機卿は早く休みたい様子でそう言った。
「リュブは情けないんだー、船の上で何度も吐いて！」
「今はあなたの軽口に付き合う気力も残っていないので、大人しくヴァンと遊んでいなさい」

「やったー、す、つききょー様公認!」
ヴァンの横顔に抱きっき、スリスリと頬を擦り付けるラベンダ。
ヴァンは照れた様子オだ。
「エスタは良い宿とか知らないの? 」
ラベンダの質問にエスタはふむと考える仕草をした。
「ゾルタンは町の中枢である中央区、農地と冒険者ギルドのある北区、職人と商人が暮らす南区、我々の居る港区、貧民街サウスマーシュ区で構成される。 宿の質がいいのは中央区か北区だろうが、我々の目的を考えればこの港区に泊まった方が効率的だろう。あれを動かすために人も集めなければならないからな」
エスタは背後の川を振り返り、川底に座礁した黒鉄の船を眺めて言った。
「もう魔王の船じゃない、あれは今日から勇者の船です」
ヴァンはそう言って少年らしい好奇心と希望に満ちた目でウエンディダートを眺めた。
その様子を遠くから見ていたテイセは内心驚いていた。
(あれが勇者ヴァン? あんなに感情豊かに笑うなんて、ルーティ様とはまるで違う)