《世界顶尖的暗杀者转生为异世界 贵族6》第十八话(6)

いざ、処刑されるような状況になれば、俺が抵抗することを教主に化けた魔族、蛇魔族ミーナの言葉を借りるなら人形遣いは予想している。
そうなれば、俺と戦うのは勇者の仕事。
魔族の敵を排除しつつ、俺が魔族を倒してきたばかりに使い減りさせられなかったエポナを消耗させられる一石二鳥の作戦。
だからこそ、俺のやるべきことは前提を崩すこと。
幸いなことに、エボナは俺の友人であり、教主の言葉よりも俺の言葉を信じてくれた。
(人間らしく生きる、その選択をしたからこそ、エボナを殺す以外の道を模索し、友になった……そのことが窮地から俺を救ってくれた)
もし、ただ勇者を殺すことだけを考え、エポナを遠ざけていれば、エポナは教主に言われるがままに俺に剣を向けていただろう。
そして、もう一つの前提の破壊。
それをするには、このふざけた魔女裁判を終わらせる必要かある。
薬漬けにされてまともな反論などできない。そう、相手は思っているだろう。
その思い込みを利用するため、今までわざわざ薬に侵されている演技をしてやった。

死角から忍び寄り、隙を突くことこそが暗殺者の基本。
そして死角や隙はできるのを待つものではなく、作り出すものでもある。
さあ、仕込みの成果を披露するとしよう。
「 【神威】 」
三重の 【魔術士殺し】 が弾け飛ぶ。 【魔士術殺し】 で大気中に散らされた魔力によって魔法を為す 【神威】 の効果。
魔力が体に満ちれば、鎖など意味をなさない、鎖を引き裂き、ギロチンに固定された首をカずくで外し、肩を回す。
「衛兵ども、罪人を取り押さえろ！！」
六人の衛兵が一斉に襲いかかってくる……ただの人間か、連係も取れている、腕も悪くない。
だが、今の俺の敵ではない。
躱し、優しく関節を外して無力化していく。
数秒後には、立っているのは俺だけになった。
誰もが見忽れていた。あまりに。も鮮やかな俺の手腕に。
俺はその状況で両手を上げる。
「勘違いをしないでくれ、魔女裁判……いや、異端審問か、それから逃げるつもりはない。 話しやすいから邪魔なものを外しただけだ」