《世界顶尖的暗杀者转生为异世界贵族6》第十六话(8)

俺とノイシュは教官たちによって監視されているが、これで話が盗み聞きされることはなくなった。
「もう何を話しても大丈夫だ」
「便利だね、その魔法。僕にも教えてくれないかい?」
「ノイシュは風の適性がないから、無理だな」
「それは残念」
風は何かと使い勝手かいい属性だ。俺は四属性を選んだが、仮にどれか一つを選ばないといけないとなれば、俺は風を選ぶ。
「それで、リスクを背負ってまでしたい話はなんだ?」
「ああ、それだけどね。これは罠だよ。聖地に着くまえに、君は薬を盛られて眠らされて、絞首台の上で魔女裁判」
「だろうな、なにせ今や俺は女神の名を騙った不届きものだ」
魔女裁判というのはこの世界でも行われたことがある。
魔物が人にばけて紛れ込んでいるなんて噂に踊らされた結果だ。
世界が違っても、似たようなことが起こるのは、 おそらく人間というのは疑心暗鬼によって正気を失う生き物だからだろう。
「……そこまで知っていたんだね」

「まあな、ついでに言えば今の教主が魔族だってことも知っている」
「エポナが漏らしたってわけじゃないようだね……やつばり、 僕の騎士団に君かほしい」
ノイシュが作り上げた騎士団、才ある若者だけを集めた、彼の夢を叶えるための組織。
それを否定したことが、 ノイシュを追い詰め、 蛇魔族ミーナの誘惑に屈する原因を作った。
「その答えは変わらない」
「僕も誘うつもりはないよ君はずいぶんと遠いところにいった。 君は僕の器に収まらない……もっとも今はだけどね」
「そうか、話はそれで終わりか」
「違うよ 君にアドバイスだ。 教主に化けている魔族、その二つ名は人形遣い……ミーナ様から伝えるように言われているんだ」
「ありがたい情報だ……人形遣い、そんな奴はどんな文献にもなかった……」
「まあ、そうだろうね。 人形遣いなんだから」
人形遣い、その名前から連想するのは人形を操作する能力。
本人は隠れ、人形に戦わせて来たのだろう。