竹から生まれた女の子
2023-08-01日语睡前故事20210321 来源:百合文库
むかしむかし、あるところに、子どものいない、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
「なあ、ばあさん。わしらにも子どもがあると、どんなにいいだろうね」
「そうですね。でも、わたしもおじいさんも年ですから、もう無理ですね」
「そうだな。寂しいことだ」
そんなある日の事、おじいさんが山へ竹を切りに行くと、何と竹の切り口から小さな女の子が飛び出して来たのです。
「おおっ、これは神さまが授けて下さったに違いない」
おじいさんは大喜びで女の子を家に連れて帰ると、それはそれは大切に育てました。
女の子はすくすく育って、やがてとてもきれいな娘になりました。
ある日、娘が言いました。
「おじいさん、おばあさん、わたしに機織り(はたおり)をさせて下さいな」
「ああ、いいとも、いいとも」
おじいさんはさっそく町へ行って、機織り道具を買いました。
そして娘は、機織り道具を自分の部屋に置いてもらうと、
「お願いですから、どんな事があっても、機を織るところを見ないで下さいな」
と、頼みました。
それから何日かして、娘は出来上がった布をおじいさんに渡して言いました。
「これを、町で売って下さいな」
その布は、たちまち高いお金で売れました。
おじいさんは布が出来るたびに町へ売りに行き、たくさんお金をもらって帰ってきました。