よくわかる説教(2)
「知っている者と、知らん者がおります」
すると、坊さんは喜んで、
「それなら知っておる者が、知らない者に教えておくれ」
と、やっぱり帰ってしまいました。
そのされたみんなは、どうしたものかと相談しました。
「どうして坊さまは、すぐに帰ってしまうんじゃ?」
「そうじゃ。何と答えても帰ってしまうのでは、どうしようもない」
「いや、これはきっと、わしらがまじめに説教を聞かんから、坊さまが怒りなさったに違えねえ。ここは、みんなで謝りに行こう」
こうしてみんなは寺まで行って、説教を続けてくれる様にと頼んだのです。
そして次の集まりからは、みんながじっくり話を聞くようになったので、坊さんはとても熱心に説教をしました。
人の話は、ちょんと聞かなくてはいけません。
話を聞かないと、その人はこの坊さんの様に話してくれなくなりますよ。
おしまい