葉のない木と葉のある木
2023-07-31日语睡前故事20210228 来源:百合文库
むかしむかし、スズメとカラスが林に行って、楢(なら)の木に一夜の宿を頼みました。
すると楢の木は、「ふん。お前たちみたいなやつに、宿なんか貸せんわ」
と、断ったのです。
するとそこへ神さまがやって来て、楢の木に言いました。
「これこれ。へる物でもないし、一宿ぐらい貸してやれ」
しかし楢の木は、首をふって言いました。
「いいえ、いくら神さまに言われても、こればっかりはゆずれません。
わしは木の中でも、位の高い楢の木です。
他の木とは、格が違います。
ツルやタカと言った格の高い鳥ならまだしも、スズメやカラスごときには宿は貸せません」
「そこを曲げて、今回だけでも」
「いいえ。曲げられません」
「どうしてもか?」
「はい、どうしてもです」
この楢の木の態度には、さすがの神さまも腹を立てました。
「それなら、仕方がない。今日以降、お前たちは、冬は葉のないようにしてくれる。それでも、いいのか?」