復活したゼロ年代作家、覚悟の告白——滝本竜彦采访(4)
2023-06-27 来源:百合文库
── : 今、誤解を解きましょう!
滝本: はい。僕は宗教には入っていません!! 執筆のために知識と経験が必要だっただけなんです。
『ライト・ノベル』は
研究開発みたいな一冊
── : 語るとおり、『ライト・ノベル』には、いわゆる「ライトノベルの要素」が詰め込まれています。舞台は木造の旧校舎、部室棟一番奥の部屋。アイテムは唯一の鍵、異界に通じるロッカー。登場するのは母親との関係に悩む不登校気味の高校生男子、天空から地下世界へと旅する天使、メガネっ子の同級生。チラシの裏に書き殴られた小説、多重構造で語られる世界……そしてクライマックスは文化祭!
滝本: リスペクトも込めて、思いつく限りのことを詰めました。自分でもまさかこんな文化祭の風景が書けるとは思いませんでしたが(笑)、書けるようになったんだと感慨深かったです。 さらに徐々に部室棟が埋まっていきますが、各部の部活にも僕の読者の方には楽しんでいただける仕掛けがあります。もしかしたら……そんな時系列もあったかもしれない、的な。そういった部分も含めて、隅々までライトノベルを意識しました。
── : ですが、読み進むうちに不可思議な感覚に囚われます。なにを読んでいるのかわからなくなってくる快感というか……言語化が難しいのですが……。
滝本: だとしたらうれしいです。物語を追いかけてもらうだけでなく、読んでいるうちに脳の状態をちょっと変えてもらえるような試みも詰め込んでいて、トリップ感というか酩酊感みたいなものも楽しんでほしいんです。だから、最初に言ったとおり、まだ、僕自身、これがなにかはわかりません。言えることは、これは「光の小説」であり、今現在の僕の研究開発の発表だということです。 なので、改めてお伝えするなら、僕はこの小説を、新たなライトノベルのフォーマットのひとつとして提示したい。だからこそタイトルは『ライト・ノベル』でしか、ありえなかったんです。
滝本: はい。僕は宗教には入っていません!! 執筆のために知識と経験が必要だっただけなんです。
『ライト・ノベル』は
研究開発みたいな一冊
── : 語るとおり、『ライト・ノベル』には、いわゆる「ライトノベルの要素」が詰め込まれています。舞台は木造の旧校舎、部室棟一番奥の部屋。アイテムは唯一の鍵、異界に通じるロッカー。登場するのは母親との関係に悩む不登校気味の高校生男子、天空から地下世界へと旅する天使、メガネっ子の同級生。チラシの裏に書き殴られた小説、多重構造で語られる世界……そしてクライマックスは文化祭!
滝本: リスペクトも込めて、思いつく限りのことを詰めました。自分でもまさかこんな文化祭の風景が書けるとは思いませんでしたが(笑)、書けるようになったんだと感慨深かったです。 さらに徐々に部室棟が埋まっていきますが、各部の部活にも僕の読者の方には楽しんでいただける仕掛けがあります。もしかしたら……そんな時系列もあったかもしれない、的な。そういった部分も含めて、隅々までライトノベルを意識しました。
── : ですが、読み進むうちに不可思議な感覚に囚われます。なにを読んでいるのかわからなくなってくる快感というか……言語化が難しいのですが……。
滝本: だとしたらうれしいです。物語を追いかけてもらうだけでなく、読んでいるうちに脳の状態をちょっと変えてもらえるような試みも詰め込んでいて、トリップ感というか酩酊感みたいなものも楽しんでほしいんです。だから、最初に言ったとおり、まだ、僕自身、これがなにかはわかりません。言えることは、これは「光の小説」であり、今現在の僕の研究開発の発表だということです。 なので、改めてお伝えするなら、僕はこの小説を、新たなライトノベルのフォーマットのひとつとして提示したい。だからこそタイトルは『ライト・ノベル』でしか、ありえなかったんです。