復活したゼロ年代作家、覚悟の告白——滝本竜彦采访
2023-06-27 来源:百合文库
闇の作家だったけれど
ずっと光の小説を書きたかった
── : 『ライト・ノベル』という、すでにジャンル名として定着している単語がタイトルに掲げられていることに驚きました。どんな意図があったのでしょうか。
滝本: 正直に言ってしまうと、実は未だに自分でもなにを書いたのかわからないんです。 ただ、目指していたのは「光の小説」であり、読み終えた人たちが本を閉じたその瞬間、幸福に包まれる小説です。でも、そういう小説を書くことができなかった、僕自身の力不足をずっと悔やんでいたんです。
── : どういうことでしょう。
滝本: 昨今のライトノベルのフォーマットのひとつに、現世でダメな自分が転生した先で美少女をはじめ、いろいろな存在に助けられて幸せになるというものがあります……。 誤解を恐れず言葉にします。それでは辛いばかりです。その世界に浸っているときは幸せかもしれませんが、現実が変わるわけではありません。そうではなくて、読んだら楽しくなって心が解放されて、読み終わったらハッピーになれる、そんな小説を書きたかったんです。